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「牧師夫人の徒然なるままに」(八三四)「戦争を知らない子供たち」

 昨年は鹿沼でのクリスマスコンサートで、ギターの弾き語りをさせていただきました。その時に「戦争を知らない子供たち」という往年のフォークソングを歌いました。

 思えば戦後に生れた私たちの世代は、本当に幸せな環境に生きてきました。勿論戦後の貧しさが残る復興期でしたから、決して贅沢な暮らしが許されたわけではありません。生活環境も今と比べると実に劣悪だったとは思います。虱がはびこっていて、子供たちは頭髪にDDTを噴霧されたものです。皆さんの中にもそんな思い出のある方がおられると思います。学校給食では、いつも脱脂粉乳のミルクがアルミのお椀にたっぷりと提供され、いやいやながら飲んだ記憶があります。肝油も配布されて、児童は一斉にそれを飲み込んだことも思い出されます。

 それでも、日本中が自由を謳歌し始め、経済成長の勢いに乗っかって、活き活きしていました。そうして、八十年足らずが「戦争を知らない」で過ぎ去りました。幸せな時代を生きた世代だと言えます。

 今、戦争の足音が聞こえています。既に戦禍に見舞われている地域が近くにもあります。私たちの子どもたち、孫たちの世代には何としても「平和」を残したいです。引き継いでもらいたいです。何としても。

安食道子

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