牧師夫人の徒然なるままに(六六四) 安食道子 「こんな時にこそ必要な交わり」(その2)

 秋の四連休が終わりました。私の近所の大型モールにもたくさんの車が押し寄せてきました。まるでコロナ以前の活気を取り戻したようでした。
 国を挙げて(地球を挙げて?)マスクの着用、手洗い、ソーシャルディスタンスを提唱することで、何とか経済活動と感染拡大予防を両立させようと必死の毎日です。そんな中での四連休です。あたかも箍が急に外されたかのように、人々は外に出ました。その様子をテレビで見ながらつくづく思いました。人は、交わりを欠いては生きていけないのだなあと。
 誰が初めに提唱した言葉なのでしょうか。ソーシャルディスタンスとは。社会的な距離を保ちましょうというのがその意図するところなのでしょうが、なんだか釈然としない言葉です。私がソーシャルの真意を知らないからかもしれませんが、本来はフィジカルディスタンス(物理的な距離)と言う方が適切に思えます。
 社会的に距離を置く生活を強いられると、精神に異常をきたしやすくなるのではないでしょうか。たとえオンライン交流が出来ても、人の「交わり志向」は癒されません。私の好きなフォークソングに「ふれあい」(中村雅俊唄)があります。悲しみに出会う時には言葉はいらないけれどもそっと肩を抱いてほしい。人はみな一人では生きていけないものだからと。

安食道子

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