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牧師夫人の徒然なるままに(六七六) 「復讐をされる神」    (ローマ12・19)

 「七度を七十倍するまで赦しなさい」と言われた主。ご自身も全人類の罪を御赦しになるためにその身を捨てて下さった主。そんな方が「復讐は私のすることである。わたし自身が報復する」(ローマ12・19)とおっしゃったことは矛盾したことに思えませんか。
 かつてKBIで学んでいた時にこのローマ人への手紙の箇所から、救いを得て信仰に導かれたと告白する学友が何人かいました。人の心を蝕んでしまう強烈な感情は「赦せない心、復讐心」なのだと痛感します。
 ローマ書の中のこの引用は「愛する者たちよ。自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい」という言葉の後に続きます。
 赦せない心、復讐したい心は、結局はその思いを抱く本人を一番苦しめるのです。特に、クリスチャンにとっては、このような心はクリスチャンらしからぬ思い、証にならない思いです。この御ことばはその思いを行動に移さないための方策を提示しているのです。
 私たちが、たとえクリスチャンであったとしても抱いてしまうそんな苦々しい思いを、お引き受け下さるお方として、主は地上に来てくださいました。義なる神は、悪を見逃される方ではありません。そのお方にお委ねすること、これ以外に、私たちの赦せない心の処理方法はないのではないでしょうか。
安食道子

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