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「牧師夫人の徒然なるままに」(八四〇)「アブラハムの視点」その1(創世記一三章)

 創世記の一三章にはアブラムと甥のロトが、生活圏を分離するようになる顛末が書かれています。二人とも神の祝福を受けて富む者になり、一緒にいるには土地が狭くなりました。しかも、お互いの使用人の間に争いが起こっていました。その解消が分離案でした。

 さて、分離後の地はどのように決められたのでしょうか。その時に二人が立っていた場所はかつてアブラムが祭壇を築いた場所でした。そんな懐かしい場所に立って、アブラムはおそらく初めの信仰に立ち返っていたと思います。

 アブラムは土地の選択権をロトに譲りました。ロトが先に住みたい土地を決め、残りをアブラムが受け取ることにしたのです。

 そして、ロトは、見るからに肥沃で、魅力的なヨルダンの低地を選びました。アブラムに遠慮をすることもなく、彼は「目に見える良い地」を先取りしました。世的な繁栄を第一基準にしたロトの選んだその地がやがてどうなったかは、皆さんご存知でしょう。

私は「もし、ロトがヨルダンの低地ではなく、カナンの地を選んでいたらどうだったか」と度々考えました。その可能性はなかったでしょうか。あったかも知れません。それでも、主は、アブラムへの祝福を必ず遂行なさったはずです。(続く)

安食道子

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