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牧師夫人の徒然なるままに(六五〇)「小さな命が教えてくれること」

 新型コロナウィルスの流行で、世界中の人々が恐怖にさいなまれている昨今ですが、薫風にそよぐ若葉はその色に輝きを加え、虫たちは蛹から成虫へと変身し、燕も子育てに余念がありません。鳥たちの朝のさえずりもいつもと変わらず喜びにあふれています。創造主のお働きが健全に保持されていることに感謝をします。人間がこれをゆがめてはいけないとつくづく思います。
 私の孫は、虫取りが大好きです。一部の虫は不気味ですが、私も決して嫌いではありません。創造主の御意図が反映されていると思うとなおのこと尊く思います。ただ、虫かごに入れられたまま、不自然な姿でその一生を終えなければならない事態には怒りを覚えます。私のそんな訴えが通じたのか、孫は、このごろ、捕まえた虫たちを一定時間観察すると逃がしてあげるようになりました。嬉しいことです。
 以前私が宇大のグラウンドで、ウォーキングをしていた時のことです。持参した傘を木の根本に立てかけていましたが、帰宅後に傘をしまおうとした時に大きな蟻が一匹出てきました。そのまま自宅の近辺に放そうとも思いましたが、集団生活をしている彼らのことですから、元の家族に帰すべきと思い、もう一度とって返して、宇大の住処に放ちました。もし、そうしていなかったらその夜は眠れなかったことでしょう。

安食道子

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