フィンランドから雪だるまを持ち帰れ

2017年1月24日から31日までフィンランドへのハネムーンに出かけておりました。
様々な体験を経ていろいろと思うところがありましたので、いつものように
独自観点を中心に記事にしていきまする。

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①準備編
発端は相方の「オーロラが見てぇ」だった。
行先は当初アラスカを検討したのだが
「オーロラを見れる場所と人里の距離が遠い」とのことで
フィンランドのラップランド(ユッラス)に決定された。
(最初にユッラス、その後ロバニエミ、タンペレ、ヘルシンキと南下してくる旅程となった)

とりあえず寒いので防寒が超重要(ヘタすれば死ぬ、凍傷もありえる)。
極地仕様の装備が必要となり、一般的な旅行グッズの店では十分な装備が整えられず。
ウインタースポーツの用品がある店で相方には「冬山登山相当」の装備を買い与えた。
頭からつま先まで、眼の部分以外を完全に包み込む。
メガネは金属部が肌にあたるとしもやけ、ヘタすると凍傷になるのでコンタクトレンズにする。
ヒートテックは汗が冷えて逆に寒くなるとのことで水が当たると発熱し、
かつ透湿性もある冬山登山にも用いる肌着や靴下をそろえる。
外側は撥水・防水で固め、内側はダウンジャケットなどで空気の層を大量に作る。
フィンランドは屋内は暖かくなっているので、着脱での温度調整機能も重視された。

一方での私。
今の日本でも「寒い」「死んじゃう」と言う相方とワイシャツ一枚でうろうろする
「残念な小学生」みたいな私とでは防寒装備にも差別化が必要であった。
私は相方よりワンランクお安い装備とした。
それでも足元からの冷え対策もあり、スノーシューズはかなりよいものを。
また5つのクビはマフラーや靴下、グローブで固める基本は守る。

準備中にオーロラが見れない可能性も高いとわかり
「別の楽しみがほしい」となった。
また妹から「オーロラの瓶詰」という無茶ブリがあったので
相応の返しが必要になった。

相方は「犬ゾリ体験がよい」といい採用。
加えて私が「フィンランドの雪ダルマを持ち帰ろう」と提案し、今回の主軸となった。
自宅の冷凍室で雪だるまを「飼う」のだ。
題して「ムーミンサンタスノープロジェクト(むーさん計画)」。
布製で折りたためるクーラーボックスを大小2つ、マトリョーシカ方式で採用。
保冷材も5つ購入し、雪を包み込む準備は整った。

海外での事故に備えて保険にもしっかりと入る。
キャリーケースや持ち込みサイズのリュックなど初めて整えるものが多く、
武装を除けば、完全に「RPGの冒険旅行の準備」であり、楽しい体験であった。
・・・まあ、リアルに金銭が飛んでいくことを除けばだが(笑)。

長時間の飛行中に休息をしっかりととれるように奮発してビジネスクラスを予約。
往復でウン十万円余計にかかるわけで、ケチケチ倹約家な私からするとかなりイタイのだが(笑)
まあ滅多に行う体験ではないし、死んでから「黄金の棺桶」に入っても仕方ない。
既に人生の半分が経過=半分死んでる私としては、「自己満足できる用途」は大切である。
今回の「むーさん計画」は私としては「自己満足できるもの」だったわけで。

②フィンランド 移動編
ツアー一行は我々を含め8名。我々と同じハネムーナーが1組、
リタイアしている老ご夫婦が1組、モデルさんらしきセレブ母娘が1組であった。
くつろぎながらの10時間の飛行で関空からヘルシンキへ。
時差が7時間あるので3時間しか経過していないのが何とも違和感。
ヘルシンキ空港で乗り継ぎ便を待つ間になんとかつて日本代表を率いていた
「フィリップ・トルシエ氏」に遭遇。
フランス語でなにか取り巻きと話しながら素早く移動していたのでこちらからのアクションはとらず。

乗り継ぎ便でイヴァロ経由でキッティラ空港へ。そこからチャーターバスでユッラスへ移動。
宿泊先はアパートメントタイプでキッチン、そしてサウナも個別についている。
装備を降し、防寒装備をかためて初日のオーロラ観測に400mほど離れたところにある湖の中央を目指す。
・・・寒い。いきなりのマイナス25度に加えて強風が吹きつける。
オーロラ?んなもん見えるわけもない。
5つのクビを固め、上半身は5枚、下半身は4枚。ニット帽に手袋と靴下も2枚装備。
カイロも背骨、心臓、首につけていたが、寒風は殴りつける勢いで熱を奪っていく。
めちゃくちゃ寒いのはふともも。そしてカメラや三脚の準備作業で
生じた手首のわずかな隙間から指先が凍えてマヒする。
「これはどうにもならん」ということで30分持たずに退却。
初日は散々であった。
宿に戻り、相方と反省を語り合う。
オーロラは完全に「環境の領域」であり、見えないのは仕方ないにしても
地上にいる我々にはやれることがある。
「夜空を少しでも長く見上げ続けること」だ。
そのためには凍傷などにならない防寒対策が必要であった。

部屋に帰るとカイロが固まって死んでいた。
中の水分が凍り付いて発熱機能を奪われていたのだ。

相方「寒すぎるよね。死んじゃうかと思った」
私「初日に過酷だったのはむしろ幸運であった。あれに耐えられたのだから
 もはやあれより甘い試練は平気で乗り越えられる。人生と同じだ。」

③フィンランドその3
嵐の一夜が明け、2日目の1月25日。
午前中はバスで1時間かけてムオニオにある「アッリおばさんのトナカイ牧場」へ。
ガイドはイケメン金髪のヴァルテッリ(フィンランド人)。
カウボーイならぬ、レインディアーボーイとしてトナカイのツノめがけて
投げ縄を投げつける練習から開始。
マイナス10度くらいだがら昨夜よりかなり温かいが、
強風は続いておりロープが風に流されて誰も成功しない。

相方「誰も成功しないね。ハナーさんはこういの得意?」
ハナー「俺を誰だと思っている?神戸の輪投げボーイたぁ、俺様のことよ」
相方「ゴメン、知り合いだと思われたくないから離れてくれるかな」

皆の失敗は手前の近い枝角を狙っていることにあった。
私は敢えて奥の角を狙う。強く投げることで強風の影響を受けにくくする。
また、輪投げと違って投げ縄なので外れたとしても手前のロープが枝角に絡まるという
計算もあった。いろいろ考えたが惜しいながらも輪は入らず。
ただ手前の枝角に絡めることには成功し「全然成功してないのにさも惜しかったように見せること」には
成功した。「うむ、計算通り!(ウソ)」

トナカイのソリに相方と2名で搭乗。
ソリはひらべったい長椅子のようで半ば寝そべって綱を持つ。
ソリを引いてくれるトナカイの名はラルフといった。
目の前をラルフが色っぽいしぐさでお尻を振り振りソリを引く。
速度は時速3キロくらい。ゆっくり歩くくらいの速度か。
その後、サーミ人(現住している北方民族)の民族仕様を着ての写真撮影で
気分はゴールデンカムイである。日本のアイヌとの共通点が多く興味深かった。
(染料の使い方とか自然崇拝とか。似た環境だから当然と言えば当然だが)
アッリおばさんの民家改装博物館でフィンランド北方の開拓史も学ぶ。
トナカイの生態を学び、トナカイにえさの乾燥コケの塊を与える。
昼食は牧場内のコタ(小屋)にて。
トナカイ肉の煮込みは独特のケモノ臭さがあり、私以外は完食ゼロであった。
私は相方の残したトナカイ肉もいただいた。
あまりおいしくはないが、まあ食べるのは平気だ。
シカよりもイノシシのボタン肉に近い。
ケモノ臭さはベリー類で薄めていただくとのことだったが、まあ
あれを食べられる女性はなかなかいないだろう。
ベリーのジュースやシナモンロール、マッシュポテトはまあ無難な味だった。

午後は地元のKマーケットでお買い物。消費税率24%ということもあり物価が高い。
暖房が強くのどが渇くので飲料水を購入。通貨はユーロ。

夜になり、再びのオーロラアタック。
生憎の曇り続きで日付が変わる頃に雲が切れるかもとの予報。
オーロラ指数は5段階の2なので「出ないことはないがうっすら程度」。
それでも12時ごろには出発。前夜の反省を活かして
あらかじめ三脚は組み立ててカメラを取り付けておく。
太ももにはサルマタの上から貼るカイロを貼る。
手首の内側にもカイロを装備。
カイロが固まらないように2つのカイロをこすり合わせたり
ポケットのカイロでもみほぐしたりを念入りに行う。
ズボンのぽっけにもカイロを2つずつ仕込む。
「これが直列カイロだ。カイロを温めるためのカイロだぁね(頭悪い)」

3時間粘るも、「もしかしてあれかな?」と言う程度のうっすらと白いオーロラ。
カメラ撮影をして現地人ガイドに確認をしたら8割は町の光が照らした雲だった。
とはいえ2割はオーロラの撮影に成功。
このあたりで相方がカメラの調整に才能を発揮し始める。
旅行直前まで全くの素人だったのに相方の根性や執念はすごいと思う。
(「おまえがやれ」というツッコミは一切受け付けない。私はあくまでも口先だけのポジションであるw)

同じホテルでの朝食はビュッフェ方式だが3日とも変化がない。
私は平気でバリバリと食べていたが、相方を含めツアー同行者たちはそろそろ
辟易し始めていたようだ。2日目のランチでのトナカイ肉の猛威がいまだに残っていたようだ。
午前中はアイスヴィレッジへ。冬のワンシーズンだけ作成されるすべてが氷でできたホテルで中のソファーやベッドまで氷。
内部にはチャペルもあり幻想的な雰囲気であった。
実際の宿泊客も毎日20名、チャペルでの挙式者はワンシーズンで70組とのこと。
昼食はこのツアー中で最もおいしい豚肉の煮込みやパンケーキだったが、やはり
私以外の方々は食が進んでいなかったようだ。
午後はオプションで申し込んだ犬ゾリツアー。
相方と2名、1名が前に座りもう1名は後ろに立ってドライバーを務める。
1台のソリに2匹×3=6匹の犬で大雪原10キロを小一時間で走破する。
最初は私がドライバー、相方は動画での撮影を行う。
ドライバーと言っても犬どもはやる気に満ち溢れているので
全開で自由にさせるか、片足ブレーキでの減速か、両足ブレーキでの停止かくらいである。
金属のキザギザがついた横棒で地面の抵抗を増やして速度を落とす。
地面を削るのだがコース中途には犬たちの大小さまざまな排泄物もある。
そんなわけで「白くない雪」は若干きちゃなかったりする。
停止するたびに犬たちが振り返り「なぜ止めるのか?」「早く発進してくれ」という
表情で振り返るのがなんとも(笑)。
停止後のリスタートはドライバーが地面をけり、そりを前に押し出せばよい。
前後を業者の係員がスノーモービルで囲む。
その間を犬ゾリ5台が走る。
雪原は決まったコースが削られており、道に迷うことはない。
平地でも自速10キロ、下り坂だと15キロ程度は出るのがトナカイソリとは違うところ。
3列目の右側の犬がなぜか中央線を飛び越えて左側の犬の位置に入り込み
2匹が寄り添いながら走る(左側の犬は迷惑そうにしながらだが)。
犬は中途で横の雪をかじって水分補給し、停止したときに雪に飛び込み
火照った体を冷やしたりする。
コース半ばでドライバーを代わる。
相方は私よりかなり小柄かつ非力なので
停止後に地面を蹴ってもソリが微動だにしない。
仕方なく私も地面を蹴り、ソリを進ませる。
犬ゾリ動画はなかなか臨場感のあるものに仕上がった。

夜は最後のオーロラアタック。
情報によるとヤマは2つ。
1つめは23時、ずっと2のオーロラ指数が一瞬だが3になる。
2つ目は午前2時、雲が晴れるとの情報あり。
まず1回目のチャンスは我々と老後夫婦が観測ポイントへ。
1時間ほど粘ったが雲が晴れず、体温も限界に達したので一度撤収。
2回目のチャンスには我々ともう一組のハネムーナーが観測ポイントへ。
今度はクーラーボックスに温かいお茶を持っていく。
もう一組の奥さんのほうが宿を出た直後にいきなりオーロラを発見。
それ以降も空全体にオーロラが乱舞し続けるのが3時間ほど続いた。
天頂部のオーロラがもっともきれいだった。三脚に取り付けたままのカメラを大地に寝かせて撮影するなど相方がどんどん「プロカメラマン」になっていく。
結局、添乗員さんがほかの2組もたたき起こし、参加者全員で夜空の光のショーを
満喫することができた。

オーロラ指数2なので肉眼では白いモヤのかたちだったが、写真でとると世間的に認識される「薄緑のカーテン、あるいは空が燃え立つ様子」がキレイに撮れていた。オーロラだけで写真は400枚以上に及んだ。

これで当初の課題はクリアできたので、次なる「雪だるま持ち帰り計画」に専念することができる。

3日間もお世話になったユッラスのアパートメント方式の宿には冷凍庫もあった。
そこで保冷剤5つをカッチンコッチンにひやす。
布製クーラーボックスは大小2つ購入してある。もともとは
マイナス世界から室温に戻ったカメラが結露しないためだったが、
いまや「雪だるまを持ち帰るため二重にする」という目的がメインである。
ユッラスの無垢で汚れ無き雪をジップロックいっぱいに詰める。
ハナー「・・・! こいつは、アカンか!?」
欲張ってギュウギュウにつめると雪は含んでいる空気を吐き出し、
「氷」に近づいてしまう。かといって密度の薄い雪ではこれから5日間の
室温を耐えられないだろう。
持ち帰りたいのはあくまでも「雪」であって「氷」ではないのだが。。。
当初予想では「外気温はずっと氷点下だから楽勝でヒャッホー!」と思ってたが
冬の北海道のように室内はどこもかしこも温かい。
二重クーラーボックス+保冷剤を信じて雪をキャリーケースに詰め込んだ。

4泊目はユッラスからロバニエミ(サンタの町)への夜行列車での移動。
道路から直接アプローチできる線路から直接列車内に乗り込むという
映画のような派手な体験…のように見えるがこちらでは当たり前の
「信用乗車」というもので乗り込む。
この列車内がまた温かい。
ロバニエミの観光を終え、ハラハラしながら5泊目のタンペレのホテルで
雪を確認する。
ハナー「おお、9割残ってるか。ただ1割くらい雪じゃなくて氷になっとるな」
幸い、タンペレにも雪はあったので朝方ホテルの庭の雪をかき集めたが
ハナー「かき氷みてぇだな。」
大量の雪が当たり前のユッラスに比べると南方のタンペレの雪はみぞれ状になっている。
加えてちょっと集めると土や木の枝が混ざり込む。
ハナー「雪以外は法律的に持ち帰れないんだよなぁ。防疫法とか貿易法とか言ったっけか」
なんとか雪のうわべだけの部分を取り、集める。

翌日、タンペレ観光後にヘルシンキへと移動。
フィンランド南部は記録的な暖冬だそうで雪がない。
観光後、ヘルシンキのホテルで雪を確認すると半減している。
ハナー「このままじゃ日本までもたないな」
相方「追加の保冷剤どこかで買えない?」
ハナー「うん、それと保冷剤をホテルで冷凍してもらうか。」
相方「ただ、今のままじゃたぶん駄目だよね」
相方は恨めしそうにヘルシンキの空を見上げた。
現在、雨は降っているが雪ではない。

保冷剤が完全に終了していたのが主因だ。
相方とヘルシンキでまずは追加の「保冷剤」を購入。
続いてホテルで保冷剤を翌日まで冷やしてもらえないかと交渉、
添乗員さんの助力もあり、この奇妙な依頼を引き受けてもらえた。
持ち帰りについて、念のため添乗員さんに確認すると
添乗員「土や植物はダメな場合が多いんですが。雪ですか。念のため出国時に検疫官に聞いてみてください」
とのこと。

帰国当日早朝。寝ぼけ眼の私を相方が揺さぶる。危険な揺さぶり症候群だ。
相方「ハナーさん、雪が降ってる!」
ハナー「本当か!?」

タンペレでの経験を活かそうとヘルシンキをうろうろするがさすがは首都。
どこも降雪は汚い。タンペレ郊外のホテルとは条件が違い過ぎる。
ためしに空のジップロック3つの口を開き、
空から降ってくる雪の直接採取を試みたが、全然集まらない。
ハナー「困った。これでは相方が悲しむなぁ」
周囲をうろうろすると前日のヘルシンキ観光で道に迷ったときに迷い込んだ地下道(屋根はない)を発見。
ハナー「おお、ここなら!」
関係者以外立ち入り禁止!の札があるところには入らないが、
逆に言えばそれ以外のところには入れそうだと解釈。
半分地下道を冒険者よろしく謎の東洋人がジップロックをひっさげて進んでいく。
すぐそばの5mほど上の道は自動車や人がガンガンに行き来しているが、
この半地下道は誰も歩いていないので雪がきれいに積もっている。
ハナー「ううむ、とはいえ地面の雪を直接集めるのはリスクもあるし、労力が大変だ」
おっかなびっくり謎の半地下道を進んでいく。
ところどころ雪がきれいに溶けている場所は
ヘルシンキの温水を通しているパイプが真下を流れているのだろう。
このあたりは前日観光時に現地人ガイドさんに確認済である。
ハナー「たしか、この温水パイプは近隣の湖からだったよな・・・。ということは!」

雪が解けている個所を目印にたどり、湖を目指す。湖付近なら
2分の1で海に向かう可能性もあるわけだが。当然フィンランド語の看板も読めず、
何より私は極度の方向音痴なのでどちらが海なのかがさっぱりわからない(笑)。

ハナー「んー、海に行くとアウトだよなぁ。」

周囲の建物を見上げる。建物の南側に窓が多いだろうという推測だ。
ヘルシンキは南側に海がある。
ハナー「確実とは言えないが、これで海に行くことだけは避けることができる。」

しばらく歩いてどでかい謎のタンクに行きつく。
ハナー「湖にはいきつけなかったが、まあいいか。」
その上に雪がまとまっているのでそれをジップロック3袋分かき集めた。
相方ともに再凍結した保冷剤と新たに補給した雪を二重にしたクーラーボックスに詰める。
相方「これで日本まで保つかなぁ」
ハナー「保冷剤と雪の補充の両方が成功したから行けると思う」
相方「飛行機の時間がながいし、日本についてから家に帰るまでも2時間近くかかるから大丈夫かなぁ」
ハナー「上空は氷点下だから何も問題ない。日本についてからが勝負だけど、この分量なら大丈夫だろ。
 むしろ問題は別にある」
相方「別の問題?」
ハナー「法律的な問題だ。添乗員さんに確認したけれど、やはり説明はしないといかんとおもう」
相方「説明って誰に?」
ハナー「日本の検疫官かな」
相方「フィンランドでは説明いらないの?」
ハナー「それは抜かりない。フィンエアーに確認済みだ。なんといってもビジネスクラスだからね(注意:ビジネスクラスは無関係です)」

フィンランド最終日の1日前、午後の間にバーガーキングにあるサウナ室」「観覧車の1つがまるっとサウナ」の取材は
済んでたので、最終日の午前中は大聖堂などの観光に充てることができた。

予定通り日本に到着した。
荷物持ち込みの場で説明をする。質問をされる前にこちらから切り出す。
「フィンランドの雪を入れているのですが許可いただけますか?」
「雪ですか!?」
「はい、植物や土は微塵も入ってません。ご確認ください」
クーラーボックスの中でメインと別に小分けにしていたジップロックを持ち出す。
「たしか法的には水は対象ではなかったと思います。そうですよね?これを採取分としてください」
「いえ、採取はこちらでやらないといけないんです」
「菌類の確認ですよね?どうぞ。あ、フィンランドで容器のほうは許可もらって検査証もあります」
こんなこともあろうかと、数日前にすでに添乗員さん経由でフィンランドの関係省庁に
確認をしてもらい必要なやりとりは終えてあるのが効いたのだと思う。30分ほどで突破できた。


通関を抜けると父がお迎えに来ていた。
ハナー(内心)「うお、さすがわが父。空気を読めないことでは世界を狙える器か!?ありがたいけれど大変だ!?」
まあ内輪ネタはさておいて。

無事に日本に持ち帰った雪だが冷凍庫に入れる前に確認をしたらまだ半分は雪だったが
残りは氷になり始めていた。
とりあえずミッションは達成したので、我が家に招くお客様にはフィンランド帰りの雪ダルマ(?)を
見てもらえるはずである。
コメント

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。