陰謀論のつじつまが合うのは当たり前という説明


「これだけツジツマがあうのだからこれは陰謀だ!」というのは因果関係の順序が逆である。そもそもツジツマの合うことがすべて真実だったら誰も苦労しない。大半は「つじつまは合うけれど真実ではない」なんてーことはゴマンとあります。

たとえば私が誰かとジャンケンをしてグー・チョキ・パー・グー・チョキと出していたとします。法則性や順序でいえば次はパーを出すと予測するのは確率統計的には正解に見えますが、実際に何を出すかはわかりません。ツジツマは合うけれど絶対の正解ではないという証左でしょうね。

他の事例としては「星座」なんていかがでしょうか? ひしゃくの形に並んでいる北斗七星、つじつまが合うようですがひしゃくは関係ないでしょう。大いなる神々がひしゃくに見えるように星を配置したという証拠もないわけです。「配置してないという証拠もないじゃないか」というのはその通りですが、まあそれは悪魔の証明になってしまいます。

本来は「つじつまが合うように陰謀論は創造される」なのです。だから、よくできた陰謀論には大した矛盾がなく、つじつまが合っていて当然なわけです。因果関係を逆転させているのですね。だから一見ツジツマは合いますし、それを信じたいと持っている人は信じ込みやすくなっています。

内部監査の仕事をしていた際にもしばしば「仮説構築」は行いました。情報の量的収集により、まずはおぼろげながら仮説を構築します。続いて情報の質的収集を行い、その仮説の裏付けをとっていく、あるいはその仮説を否定する情報も探っていく。という流れでした。陰謀論が正解かどうかはやはり地道に調査していくしかないでしょう。その上で最後は信じたいものを信じたらよいのではないでしょうか。万物を科学的エビデンスで立証できるほど科学は万能ではないし、我々のリソースも有限ですから。

・・・以上、やや陰謀論にひきずられそうな母と「科学的根拠がなければ一切信用ならん!」という妹の仲裁をした時の説明内容でした。科学的根拠は大事であることは間違いない。ただしすべての科学的根拠をそろえるのは極めて難しく、またいわゆる「ベテラン刑事の勘」的なものの効用も無視できない。むろん勘だけで突き進むのも論外だけど・・・というあたりでした。我が家は家族皆が裁判や調停慣れしていて議論好きだから盛り上がるんですよねぇ(ちょっと遠い目)

なお、ご自身の「刑事の勘」(陰謀論の予測)に自信がある方は投資をすればよいと思います。実際、私も投資はしております。陰謀論が他人よりも早く察知できるということは他人を先んじた投資で利益を確保することが容易ですから。「いつまでにいくらもうかるかは断言できないが将来的に絶対に損することはない」というラインでの投資はローorミドルリスク、ミドルorハイリターンでありおすすめです。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。