アイドルVSネット脅迫者の攻防について

アイドルや有名人へのネットを使った殺害予告というのもそろそろ形式化し始めているので、ちょいと書いてみる。なお例によって私個人の見解であり、いたって無責任なものだということはご了承ください。

【脅迫される側】=防御側
勝利条件:脅迫される前と変わらない活動を不安なく行えること (理想としては犯人の確保)
敗北条件:脅迫に屈して活動を制限されること、最悪殺傷を受けること

【脅迫者】=攻撃側
勝利条件:脅迫によって相手の活動に制限を加えること
敗北条件:身柄を確保されること

攻撃側は短期決戦、防御側は遅滞行動による持久戦狙いが基本戦略になることは不変の真理である。また、攻撃側に戦機、戦場を選ぶ権利という優位があるのも共通している。

コンビニに比べると脅迫者側の勝利目標がこぢんまりとしていて、防御側としては非常に不利な戦いである。とはいえやりようはある。

リアルではなくネット上での仕掛け故に発生する距離の防壁があり、それは脅迫者の匿名性など優位に働いているのは事実だ。だが、「距離の防壁」は本来防御側に優位に働くものだ。脅迫者のデメリットに用いることも容易なことだ。

つまり、脅迫者が自分の勝利を確認するためには「アイドルの発表や活動を見なければならないということ」だ。実際の勝利は簡単だが、シュレディンガーの猫のごとく、脅迫者は観測なしには自分の勝利を知りえない。このあたりは「不可知論」あたりがリンクしている。

脅迫される側は警察に通告はしても記者会見など開くべきではないと考える。実際の警護警戒はしつつも、一見、全く影響がないようにふるまうのが良いと思う。

そうなると脅迫者としてはおもしろくないわけだ。「なんだ、俺の脅迫は無視されているのか!?」となる。こうなればより大ぶりの攻撃をしようと近づかざるを得ないわけだ。

ただ、悪人は手を選ばない分強い。攻撃対象をアイドル本人ではなく、その周囲などに切り替えることができる。いわゆる「爆破予告」などが該当する。こうなると情報を開示し、行動制限をせざるを得ないことが多い。いくら「ほぼイタズラだろう」と思っても、「もし、本当だったら取り返しがつかない」という可能性への危惧があるわけだ。

爆破予告などで「対応させた時点」で勝利条件を満たせるので、ネット予告は後を絶たないわけだ。

ただ、彼らが「予告なく犯行に及ばないのはなぜか?」と考えるべきだ。単に爆破をしたいだけなら予告なく行うほうが目的達成確率は高くなる。つまり、「予告」をしている時点で彼らの目的は「爆破そのものではなく対応(委縮)させること」にあると言える。ゆえに委縮はしないに越したことはない。もう一つは「責任転嫁」だろう。「予告したのに対応を適切にしなかったから悪いのは脅迫者だけではない」という状態を作りたいわけだ。イベント主催者がちゃんと発表をした時点でくれぐれも主催者を責めてはならない。それは脅迫者の思うツボと言うわけだ。あくまでも悪いのは脅迫者である。

・・・とダラダラっと書いたが爆破予告に対する決定打はくやしいがまだ思いつかない。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。