ACFG理論2014

まず初見の方もいるだろうから簡単にACFの説明から。ACF(場合によってGを追加)とはゲームやスポーツ、格闘技や戦争など争い事全般における3つの基本方針が3すくみであることを示す理論である。単純に3すくみであるので基本方針の考え方としては超簡単なジャンケンレベル。

【A=アタックやアサルトの意味 攻撃】
正攻法、騎馬隊の突撃や制圧前進。先の先。
直線的アプローチ。
三英傑におけるイメージは織田信長。
自分が相手より同等以上であるなら主力とする選択肢
Cに弱く Fに強い。
最終的に相手にとどめを刺すには必須(CやFではとどめをさせない)
最も原始的な選択肢だが、最も重要。両者の「格」はAの性能で決まる。
たとえば短距離走などは「Aのみのルール」である。

【C=カウンターの意味 反撃】
相手に攻めさせてからの後の先。歩兵の槍襖や縦深陣に引きずり込んでの包囲反撃。落とし穴などの罠のイメージ。

三英傑におけるイメージは徳川家康。
自分が相手より弱い場合や初期の様子を見る場合
Aに強く、Fに弱い。
弱者が考えるべき最初の選択肢。
ちょっと前の日本サッカーなどが好例。
私の分類ではオセロは「AとCまでのルール」でありFは存在しない。


【F=フェイント、フェイクの意味 虚撃】
相手を崩す軽い動作。フェイントや陽動、囮行動、威力偵察まで。
曲線的アプローチ
三英傑におけるイメージは豊臣秀吉。
弱者が考えるべき2番目の選択肢。
例:ドラゴンボールの太陽拳
この虚撃自体は相手を崩すのみで、殺傷能力は無きにひとしい。その分お手軽なものが多い。


【G=ガードの意味 防御】
Aとならぶ最も原始的な選択肢。フェイントと同等に単体の選択肢としては勝利に結びつくことはほとんどない。他の選択肢と組み合わせて、というか最終的にはAを必ず選ばなければならない。
Gが有効になるのは「時間経過が自分にとって味方となる場合」である。
たとえばサッカー等で自軍がリードしている場合、時間が切れればこちらが勝利するのだからガードを固めるのは有効な手段となる。逆に相手にリードされている場合は愚の骨頂でしかない。
基本的に「敵を打倒」したり、「問題を解決」したりするには最終的には「Aを選ぶしかない」のだ。ゆえに実力とはAの性能で決まる。それ以外は駆け引き技術に過ぎない。そんなことばかり磨こうとするから私はなかなか強くならなかったのだと人生の半分を経た時点でやっと理解した(笑)。

「GからAに方針を変更する」のと「C」は非常に類似している。だがGはひたすら防御を考え、Aはひたすら直線的に解決を目指すのに対してCは常に反撃含みであり、その反撃も急所への遠距離射撃と言うイメージがある。このあたりは私自身、上手に説明できているとは思えない。


●五輪選手などが「相手のことは考えない。自分が最善を尽くせるかどうか」と言うがこの答えは正解かどうか。互いの「Aの性能」を競う競技、たとえば短距離走などならばこの答えでもよい。だが、競技の性質によってはこの答えは正解とは言い難い。対抗競技の大半は相手に対して働き掛ける選択肢がルール上許されている。私の趣味である将棋もそうだ。

圧倒的に格上相手に戦う場合、まず考えるべきは「己の全力」ではない。「相手に全力を出させない」ことだ。そこ!かっこわるいとか言わない!(笑) 
なぜなら相手が格上の場合、相手が100点を出した時点で自分の負けは確定するのだ。自分が100点だそうが全く無意味ではないか。
ゆえにルール上で許される範囲で相手に働きかけて「相手のペースを乱す」ことにこそ主眼を置く。たとえ自分が体勢を崩そうとも、相手のペースを乱せる可能性を少しでも高めるのが番狂わせのコツだ。むろん、冷静に見切られればみじめな敗北が待っているわけだが、それでも無為無策に突撃をするよりは「最善を尽くした」と言える。

格上相手にはカウンター狙いも悪くはないが、防御に秀でていることが最低条件となる。さもなければ主導権を相手に握られたまま一方的な展開となりやすい。フェイントは主導権を相手にとらせることなく駆け引きに持ち込む選択肢である。

絶望と対峙し、格上に挑む場合。絶対の正解はない。だが「カウンター狙いと見せつつクソ度胸で開き直ってフェイントを多用する」のは理に適っている。・・・かつて、私が将棋で格上に挑む時の流儀だったものだ。実行実践はきわめて困難で発動させる前に叩き潰されたりしてきたが(笑)。
コメント

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。