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トランジションからアーリーオフェンス②ピストル・オフェンス

こんにちは、現代バスケットボール戦術研究(MBTR) @MBTResearch です。(ブログ / togetter/YouTube
[ ※これまでの記事はマガジンから→「現代バスケ戦術研究ノート」、「プレイブック・マガジン」 「バスケットボール・ドリルまとめ」 ]

前回は、トランジションからアーリーオフェンス①と題して、トランジションとアーリーの考え方、及び具体的なトランジションのコンセプトとアーリーオフェンスのパターンを整理して論じました。

今回はマガジン第37回として、発展的なEarly OffenseであるPistol Offense ( = 21 Series) に関して論じていきたいと思います。


⓪ピストル・オフェンスの構造と考え方

Pistol Offenseは、Transition / Earlyにおいて、1, 2, 5の3人のコンビネーションで展開する5 Out Offenseと一般に理解され、21 Seriesとも俗称されます:

Pistol Offenseの典型的なパターン

ディフェンスが準備不足であるTransition / Earlyにおいて複数人が絡むアクションで攻めるオフェンスという意味では、他のEarly Offense(DragやWide Pinなど)と本質的には同じ哲学上で展開されるものですが、他のEarly Offenseに対して優位性があるのは、ハンドラー/スコアラー2人にScreener Bigを組み合わせる形を取ることで、1 or 2のどちらで攻めてくるのか絞らせない形を取りつつ、そこにさらにBall ScreenやFlare Screenを即座にセットすることで守るのを難しくするという点になります。

Transition / EarlyでありながらDにとって的を絞りづらい複雑性の高いオフェンスを展開できる反面、オフェンス側も多様なオプションを知悉しておかないと、そのポテンシャルを発揮できず、それどころかエラーの温床にもなりかねないことには注意しておく必要があるでしょう。

①Pistol Double

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バスケットボール戦術についての研究ノートを掲載。 月1-3回程度更新。

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