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薬屋のホンネ 喘息の薬が減らせるかも?

先ほど薬の卸さんから電話がかかってきて、
「ご注文されたスピロペントですが、出荷調整中のため、入荷し次第の納品となります」
と言われました。

このスピロペントですが、適応症(この病気に使っていいですよ、ってこと)が、

・気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎
・腹圧性尿失禁

の2パターンあります。
上は気道がずっと炎症を起こしてるパターンで、
下は膀胱の病気です。

気道と膀胱で全然違うとこに効いてますけど、
薬ってこんなものです。

さて、うちの薬局で、このスピロペントが出てる患者さんが一人居ます。
このまま薬が入ってこないとなると、、、

・他の類似品に代える
・薬を減らしてみる
・薬を止めてみる

のどれかを選択をすることになります。

この患者さん、喘息でずっと同じ薬を20年くらい飲んでて、
その間薬が変わることがほとんどありませんでした。

本当にこの種類とこの量を、毎日毎日飲み続ける必要ってあるのか、実はわたしは疑問に思ってます。
ちょっとくらい薬を減らしても問題ないんじゃないかなぁ。
もしかしたら、スピロペントはもう要らないんじゃないかなぁ。

漫然と飲み続けてる薬を、ふと止めてみたら、意外に何ともなかった、なんてことが結構あったりします。
わたしの経験でも、薬が入荷しないから喘息の薬をやめてみたら、全然何ともなかった、って人がいます。

今調子が安定してるのは、本当に薬のおかげなのか。
薬を止めてみることで、初めて分かることなんですよね。
逆に、薬を止めるまで絶対に分かりません。

ちなみに、薬は全身に届いて全身で何らかの作用をします。
スピロペントが、まったく異なる2つの部位に適応症をとってるのは、このためです。
そして、その中で、望ましくない作用として現れるのが、副作用です。
スピロペントの有名な副作用は、動悸や振戦(手がビクビク震える)です。
たとえ目に見えた副作用が現れなくても、副作用が現れない程度で何かの作用をしてます。
だから、薬は少ないに越したことはない、と強く思ってます。

今回の出荷調整を機に、ぜひ、
薬を減らしてみるいい機会かも!
と思っていただけたら、けっこう嬉しいかも。

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