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"テクノロジーと「人」をつなげる" ストリートスマートの事業の創り方

ストリートスマートは、以下のミッションとビジョンを掲げています。

ミッション:テクノロジーと「人」をつなげる
ビジョン:DXを通じて社会変革をリードする

日々素晴らしいテクノロジーが生み出され、進歩していく一方で、私たち人間はそれらを十分に使いこなせておらず、むしろギャップが広がっているように思います。テクノロジーは、私たちの仕事だけでなく生活を含めたあらゆる場面で社会のインフラとして浸透してきていますが、人々がそれらを使いこなせてこそ、その価値を最大化し、社会課題の解決に繋げることができます。

私たちは、テクノロジーを利用する人々のサポーターとなり、分かりやすく伝え、活用を促進していく「テクノロジーの翻訳家」でありたいと考え、このようなミッション、ビジョンを掲げています。

ストリートスマートが生み出すことのできた社会へのインパクトはまだ大きくありませんが、現在の事業をスタートして一度も赤字になることなく、毎年数10パーセントずつ事業を成長させてきました。社員をはじめ、関わってくれるメンバーも増えました。

ストリートスマートに関わるメンバーの推移

そんな弊社について「具体的には、どんな事業をされているのですか?」と聞いていただくことが多いので、今回は私たちストリートスマートが何をしているのかと、現在に至るまでの変遷について、振り返りながら書いてみたいと思います。


現在のストリートスマートの事業について

企業や教育機関向けに、Google Workspace や Google for Education といった主にGoogle社の提供するツールを用いたDXやICT化の支援を行っています。

Google Workspace 
Google社の提供するクラウド型の組織向けグループウェアで、メールやスケジューラー、ファイルストレージ、ビデオ会議、チャット、タスク管理などの機能を含み、組織における生産性向上とコラボレーションを促進するツール。
*世界500万社以上で利用されている

Google for Education
 教育機関向けの Google Workspace に加え、Google Classroom というオンライン学習システムや、Chromebook というChrome OS を搭載した教育機関での利用に最適なコンピューターなどを含めた総称で、昨今のGIGAスクール構想も後押しし、日本国内で急速に導入が進んでいる。
*2021年7月末時点で全国の小中学校で導入された全端末約946万台のうち40%が Chrome OSで、国内最大のシェアを誇る
参考:GIGAスクール構想の実現に向けた整備・利活用等に関する状況について|文部科学省

これらも、私たちの仕事や学びをサポートしてくれる素晴らしいテクノロジーの一つですが、ツールを一つ導入するにも、それぞれの組織の現状や課題感に沿った運用方法を検討する必要がありますし、導入後の現場での利活用や、変化する環境や課題に即した運用方法の検討など、包括的なサポートが不可欠です。

このように、企業や教育機関においてテクノロジーを使いこなし、組織をDX・ICT化することを通じて社会課題を解決することを目指して、日々支援させていただいています。

「利活用に関わるサービス開発」を軸とする

ストリートスマートがこの事業を始めたのは、現在のような形がはっきり見えていたからではなく、先輩起業家の一言がきっかけでした。

創業までの詳細は、こちらの記事もご覧ください。

当時は、まだ「働き方改革」や「DX」という言葉は使われていませんでしたが、団塊世代の退職や少子化による労働力の減少、進まない女性の労働市場への参入、子育て・介護世代の働き方の課題などが浮き彫りとなり、公に議論がされ始めたころでした。

「クラウド」という言葉自体も、テレビCMなどでも使われて一般化した現在とは受け取られ方が全く異なっていて、多くの企業にとって「クラウドはセキュリティリスクが高く、オンプレミス環境を構築する方が安全であり、最適である」という考えが主流でした。

そのような社会背景の中で、私たちが当初行っていたのは Google Workspace (当時は Google Apps )のライセンス販売に加え、初期設定の代行などの簡易的な導入支援にとどまっていました。しかし、お客様への支援と同時に自社でも利活用を進める中で、クラウドというテクノロジーがもたらす場所や時間・端末を選ばない「新しい」働き方、そして、そのような働き方により生み出すことのできる価値の大きな可能性に気がつきました。

これは、単なる業務効率化のためのツールではなく、働き方そして人生の選択肢を増やし、社会課題を解決できる力を持っているのではないだろうか。そして、社名でもある「ストリートスマート」(どんな環境でも生き抜く知恵)な人材や生き方を後押しするツールとなるかもしれない!

そう考え、Google Workspace の持つ価値を人々へ届けるため、ユーザー向け研修やマニュアル資料といった「利活用に関わるサービス開発」に注力していきました。

ただし、クラウドという性質上、頻繁にアップデートがかかるツールでもあり、正直なところサービスや付随する資料をつねに最新の状態にアップデートし続けるのは、かなりの労力がかかることでした。

結果として、他社にとってはその"面倒さ”が参入障壁になったことと、テクノロジーの可能性を信じ徹底して「サービス開発」にこだわり続けたことで、いまでは「Google Worksapce の導入支援・活用支援と言えばストリートスマート」と認識いただくことも多くなっていると思います。

「働き方」から、その先へ

2015年頃のストリートスマートのミッション・ビジョンは、現在のものと異なっていました。

ミッション:ひとりひとりが活躍し、仕事を歓びに変えられる人を一人でも多く増やす
ビジョン:これからのワークスタイルをリードする

当時は、クラウドによる「新しい働き方」の可能性を強く感じ、注力していたのですね。

その後、2017年に日本政府が「働き方改革実行計画」を発表し、働き方改革が推進されていくことになりますが、その前年の2016年5月には at Will Work という一般社団法人を仲間と立ち上げ、私も代表理事を務めました。

at Will Work は「働き方を選択できる社会へ」というミッションを掲げ、テクノロジーのみならず多様な側面から、働き方の可能性と選択肢を広げるために設立しました。ストリートスマートとして Google Workspace の導入を推進するなかで、「働き方」の変革を図るには、一つ一つの企業というお客様と関わることに加えて、社会や経済といったより大きな枠組みにもアプローチをする必要があると感じたからでした。

2017年から2021年まで『働き方を考えるカンファレンス』を毎年開催し、5年間での登壇者は総勢180名、120以上の企業・組織・行政機関と連携し、3000名以上の方に参加頂き、5年間限定と決めていた活動期間はすでに終了したのですが、今年、新たに設立した一般社団法人 人的資本経営推進協会の取り組みなどにも繋がる、たくさんのきっかけや出会いをいただきました。

2017年には、教育機関向けの事業を開始しました。ここ数年、GIGAスクール構想や新型コロナウイルスの影響を受けてICT化が急速に進む教育界ですが、ストリートスマートではその数年前から動きはじめていたこと、そして企業向け支援の経験やノウハウを活かすことで、Google for Education の活用支援に特化した事業を築くことができたのではないかと思います。

そしてその頃、私たちの事業を「テクノロジーの本質を読み解き、学びの機会を提供すること」と表現するようになりました。これは「働き方」の可能性や選択肢を広げることにとどまらず、テクノロジーの持つ可能性を最大化するためにできるストリートスマートの役割を「テクノロジーの学習機会の提供」と定義したということであり、現在のミッションにも繋がる大きな転機となりました。

実際に2019年からは、より多くの方に、より効率的に、テクノロジーの学習機会を提供するために、Master シリーズという自社開発のSaaSをリリースしました。現在のMaster シリーズは以下のようなラインナップで、今後も拡大していく予定です。

【企業向け】
Master Program(マスタープログラム)
Google Workspace 活用のためのオンライン学習プラットフォーム。主要なアプリを網羅しており、教材数は150本以上。公式ヘルプには載っていない時短テク・今日の仕事で使えるノウハウも配信している。

【教職員向け】
master study(マスタースタディ)
Google for Education を使ったICT教育を進める先生の「あったらいいな」が見つかる総合プラットフォーム。教員免許を持つ Google for Education のプロの監修のもと、実際の授業にすぐに取り入れられる授業テンプレートやGoogle for Education 解説動画教材、できる Google for Education 解説動画で学ぶことができる。

このような変遷を経て、2021年5月にミッションとビジョンを冒頭でご紹介したものへと刷新しました。

ストリートスマートの事業の創り方

ストリートスマートが取り組んできた事業は、テクノロジーを取り扱いつつも、労力がかかり、"面倒くさい”ものです。しかし、創業から一貫して、現場の課題からはじめて地道にコツコツと解決策を積み上げ、そこから派生したサービスを提供していく形で展開してきました。

確かに、事業をスピーディに展開できるプロダクトをつくり込むという(スタートアップで言うPMFの実現的な)進め方ではありませんが、プロダクトをつくり込むのを優先すると、ファイナンスもエクイティ調達を主軸としたり、意思決定も効率が非常に重視されますし、組織において個人が求められる成長速度は非常に早くなります。

先日の記事で書かせていただいたような、デッドファイナンスを主にしてきた弊社の資金調達方法の選択にも、このような考え方が繋がっていることがお分かりいただけると思います。

また、ストリートスマートのロゴは「箱」をモチーフにしているのですが、これには「会社は単なる箱であって、すべては中にいる人次第」という意味が込められています。当初から、人を軸にした経営をしたいという思いがあったのですね。

当時、このロゴを作成するために「ストリートスマート」について語る私の言葉を聞いたデザイナーさんが、このようなマンダラートを作ってくださいました。

”ストリートスマート”を表現したマンダラート

当時の言葉を正確には覚えていないのですが「会社という組織は、自然界と一緒で、様々な要素が集まった集合体であり、必要な要素だ」といった私の捉え方を、うまく表現してくださっているなと思います。

これからも、ストリートスマートという箱の中のメンバーや関わってくださる人たちが有機的に働き合い、そこから事業が生まれたり、マーケットが派生して広がっていくような、そんなモデルを創っていきたいと思っています。

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