見出し画像

【MBA/体験記】第2話「MBAへまゐります。」

こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!

前回までの『能ある鳩はMBA』では、「なんで鳩なんかがMBAへ通ったのか」、その背景について語ってまいりました。

今回は「ビジネススクールのオリエンテーション」を鳩がどう過ごしたかについて語っていきます。

1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!


1.ユダヤ研究者とのコーヒー


無事にビジネススクール合格となってから2箇月後、入学オリエンテーションの日がやってまいりました。

就労意欲のない鳩にとって、およそ10年ぶりとなる入学式です。


オリエンテーションまでは特に準備が必要なものもなく、偶然手に入れたワイハの宿泊券で渡米するなどしておりました。

当日の午前中は、学生時代からお世話になっているユダヤ研究者と、近所のコーヒーで一服したのをよく覚えています。

ユダヤ研究者には「最近、スペイン語検定5級をとったんです~」という、近況報告をしておりました。

画像1

これからビジネススクールに通うというのに、当時の鳩は駅前のカルチャーセンターでおばちゃんと混じり、のほほんとスペイン語学習にいそしんでおりました

その後、スーツ姿の鳩についてきた半パンのユダヤ研究者は、関係者以外立ち入り禁止のビジネススクールへ何食わぬ顔をしながら入門すると、トイレだけ済ましてさっさと帰宅してしまいました。


2.あなたは何を望んでいるの

オリエンテーションに先立ち、学内で昼食の提供があるということで、適当に選んだ円卓でランチ。


すると、見るからに意識の高そうな人間たちがわんさか集まっているではありませんか。さすがに半パンの人はいません

しかし、そういう意識の高い人間たちを忌避する人生を送ってきた鳩は、誰もいない円卓へひょこひょこ向かって荷物を置くと、ランチの列に並びます。

そんな鳩の隣に立ったのは、民族衣装らしき服装の外国人のチャンネーでした。

南アフリカ共和国出身だそうです。正装なのでしょうか。
この学校、外国人向けのMBAのコースも開いているようです。

「ああ、どうも、はじめまして、ホワイトマウンテン・ピジョンです

画像2

自己紹介し、固い握手を交わします。

すると南アフリカの女性は曇りなき眼「あなたは、この学校に何を期待して入学したの」と質問されました。

「あなたは、この学校に何を期待して入学したの」


画像3



こいつぁ、豆鉄砲でしたよ。

曇りなき眼で、なんときらきらした質問をするんだ、この人は! 『もののけ姫』か!

日本では絶対に耳にできない質問ですよね、こりゃあ


「……誰にも定めは変えられない。だが、ただ待つか自ら赴くかは決められる」ぐらい気の利いたことを返せれば良かったのですが、

「まあ、そのビジネスの、スキルを、ちょいと……」とぼそぼそ話して終わりました


3.名刺交換と年齢構成


そのあとは、入学式が始まるまで円卓で名刺交換をしていました。

ランチ後の円卓に座っていたのはおきれいなチャンネーたちと、まあ、あとはスーツのチャンニーです。


隙あらば自分の経歴を語ろうとする銀行マンのチャンニーの自己顕示欲がくどいので、「へー、すごいっすねえ」を繰り返すマシーンと化していましたが、内心は穏やかではありませんでした。

画像4

これだから、東京出身の人間にろくなやつはいません。(偏見)

銀行マンが自分の受講するコースとは違った事実に鳩は安堵したのでした。

さて、名刺を交換すると、やれスポーツメーカーだの、やれ内資のコンサルだの、インフラ会社にいれば一生交わることのない人間たちの名刺が集まりました。

2年後、何枚手元に残っていることでしょうか


オリエンテーションでは模擬授業があり、隣に座る製薬会社マンと軽く会話。

自信たっぷりによくしゃべるものの、礼儀正しいので好感が持てます。

手元のタブレットにやたらと書き込んでいて、ついつい圧倒されるぜ


その後、生徒たちを交えて軽くディスカッション。

先生が問いを投げると、なんと、生徒たち全員が手を挙げます

子どもか恋人が人質に取られているのかというぐらいの勢いです。

画像5

このビジネススクールでは、授業中の発表がどれだけ優れていたかで評価されるのです

戦いは既に始まっているようです。


まあ、誰が何を言っていたのかを鳩はほとんど覚えていないので、どいつもこいつも毒にも薬にもならないようなことを口にしていたのでしょう。


一つだけ覚えているのは、「わが社のKPIでは……」と口にしているおっさんがいたので、「KPI? クルッ・ポウ・イエイ?」と思ったことだけです。

画像6


何でもかんでも横文字や略字を使えばいいってもんじゃねえぞ、ルー大柴かおまえは、ケッ!」と思いましたよね。


画像7

首桶がいくつあっても足りなさそうです

でも、自分と同じコースを受ける生徒は性格の良さそうな人が多いように見えたので安心します。東京者は少なそうです


夢と希望を抱きながら、鳩は帰宅の途につくのでした。

次回、『能ある鳩はMBA』第3話「ビギナーズ」お楽しみに。

to be continued...


参考資料

・挿入マンガ:横山光輝『三国志』(潮出版社)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?