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【社会人/博士/体験記】第8回「だがこの通説には疑問が残る」

こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!

このマガジンは、
働きながら、「博士後期課程="社会人"博士」
を目指す体験談です。

前回の記事はこちら ↓↓↓

さて、今回は、入学に向け、
「研究計画書」
に手を付け始めたときの感想を書いてみます。

1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!


研究計画書とは

入試にあたっては、たいていの場合、
「研究計画書」
が必要になるかと思います。

その名のとおり、
「入学してからどのような研究をする≒論文を書く」
つもりなのかを書いた計画書です。

大学院によって、
「所定のフォーマットの有無」
「指定字数の有無」
といった違いはあるでしょうが、
全体の構成は次のようなものかと思います。


・はじめに(課題認識、研究の社会的な意義)
・先行研究の現状、問題点
・自分のテーマ
・調査方法
・期待する効果

鳩は、修士課程がビジネススクールだったということもあり、
まともな研究計画書など考えたこともありませんでした。


考えたこともねェ


しかし、こんなときにも、指導教員候補の先生と事前にアポイントが取れているのが役立ちました


早いところ、達人を味方につけてしまいましょう。


論文を書くかのごとく

というわけで、指導教員のX先生に鳩はさっさと相談しました。

以前の記事でも書きましたが、
入試まで8か月あった鳩は、かなり余裕を持ったスケジューリングができたと感じています。


さて、肝心の研究計画書を書くにあたり、X先生からは学術論文で重要なポイントを3つ紹介してもらいました。

1つ目は、
「社会が困っていること」
「学会で論争となっていること」へ、
いかにして研究内容をつなげるか。

「個人的な興味」の掘下げのみで終わってしまっては、小さくまとまってしまいます。

研究動機は個人的な関心からスタートしたとしても、
最終的な結論は、
「社会のお困りごとへの回答」
「みんなが興味のある疑問の解決」
となる方が、たしかに説得力も増すことでしょう。


2つ目は、いかにして「テーマを絞る」か。
大学院の博士後期課程まで進むような人間とは、得てして、好奇心旺盛な方が多いです。
また、経験や知識が豊富だと、「あれもこれも」と自分の頭の中身を開陳したくなります
(偏見ですが、企業で一定のポジションを得た上で博士後期課程に入学している方は、特にこの傾向が強いように思います)。

しかし、テーマが散漫になると、
「結局何を言いたいのか」がよくわからない「広く浅い」論文
で終わってしまいます。

X先生は、論文を書くにあたり、
「まずはテーマを絞りましょう」
と、口癖のようにおっしゃっています。


そして、3つ目は、先行研究の深堀りです。
自身が課題提起をしたとしても、
どこかの誰かがとっくに同じ問題について考えているとしたら、元も子もありません。
自分が問題だと思っているテーマも、もしかしたら、周回遅れの話題に過ぎないのかもしれないのです。


「社会や学会は本当に困っているのか」
「先行研究者はどこまで研究しているのか」
「残っている課題は何なのか」

を整理することが、
自分自身が提示したい仮説の構築にもつながります。


戦国時代に関する”通説”にやたらと疑問を提示する、
初期の『センゴク』スタイル
も、
このような学術論文のパターンの1つと言えるでしょう。

もちろん、本格的な研究は入学してから始まるので、
入試資料の「研究計画書」を提出する場面であらゆる先行研究を調べ終えている必要はないでしょうが、
学術論文の構造を意識しながら、ある程度の先行研究に目を通しておくと、
「研究計画書」も書きやすくなるかと思います。


志望理由書との整合性、そして口頭試問

さて、入試に必要な書類の1つに
「志望理由書」
があります。

就職活動におけるエントリーシートのようなもので、
おおよそ、次のような内容を記載します。

・なぜこの大学の研究科か
・なぜこの教員か
・どんなテーマを、どうやって研究したいか

賢明な読者のみなさんは、もうお気づきですね……。

そう、これは「研究計画書」とかなり被っているのです!


「どんなテーマを、どうやって研究したいか」は、「研究計画書」の内容そのものです。

また、「研究計画書」の構成がしっかりしていれば、
「なぜこの大学の研究科か」
「なぜこの教員か」
という要素も自ずと導けます。


そもそも「研究計画書」を書くこと自体が、
「自分は何をしたいのだろうか」
を見つめなおす
ことにもなるでしょう。


そして、入試の際の口頭試問では、
「研究計画書」や「志望理由書」の内容をもとに面接が行われます
(やっぱり、エントリーシートみたいですね)。


「研究計画書」をしっかり作りこむことが、面接の第一歩です。

圧迫面接をしかけられても華麗にかわせる余裕を身に着けられるよう、
まずは「研究計画書」を充実させましょう!

多少の圧迫面接に動じてはいけません


さて、次回は、入学までに、どうやって知識を蓄えたのか……
「先行研究」
についての記事の予定です。

お楽しみに。

to be continued…


参考資料

・挿入マンガ①②:板垣恵介『バキ』(秋田書店)
・挿入マンガ③:宮下英樹『センゴク』(講談社)
・挿入マンガ④:寺沢武一『コブラ』(集英社)

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