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【社会人/博士/体験記】第1回「組まないか わたしと」
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
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このマガジンは、
何を思ったか、働きながら博士後期課程へ進学することを決めた、
いわゆる"社会人"博士を目指す鳩の体験談です。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
第1回の今回の記事では、
「なんで鳩なんかが博士号を目指すことになったのか……」
その背景について語ってまいります!
1.浅い志
とあるインフラ企業に入社して丸5年。
作業着を着て現場で3年、
内勤としてスーツを着て2年経った頃……
会社専用機として育っている自分に気づいた鳩は、
ビジネススクールに通うことになりました。
(この辺の経緯は、ビジネススクールの体験談に書いているので、良ければそちらをご覧ください)
ビジネススクールに通う人たちの志望理由はさまざまでしょう。
しかし、鳩は、
「俺、この学校卒業したら、起業するんだ……!」とか、
「部門の抱えている問題を解決して、企業を大きくしたい……!」など、
特に大きな志があってビジネススクールに来たわけではありません。
強いていえば、
この会社で、
「ビジネスパーソンなら、新聞でも読め」
などと、その程度のことで優位に立とうとするおじさんたちに、
「じゃあ、新聞に書いてあるこれはどういう意味なんですか?
MBAを持っている私に詳しく説明してください」
と、切り返して鼻を明かしてやりたいぜ
ぐらいの小さい小さい心意気ぐらいでしょうか。
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ITコンサルへの志望動機に、
「丸の内のオフィス街をパリっとした服でカツカツ歩いて
受付を社員証でピッしたかった」
と答えるのと同じぐらい、浅い志です。
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2.博士課程! そういうのもあるのか
さて、ビジネススクールへ入学してから3か月、
朝な夕な、課題に追われる日々にもようやく慣れてきた頃のことでした。
鳩は、とある大学教授の先生と、飲み会の席でご一緒することになります。
その先生は、私の会社が参加している「企業向け勉強会」の幹事で、
ビジネススクールに通う前から、私もよくお話をしている方でした。
以下、X先生と呼ぶことにします。
鳩はX先生に、
「働きながらMBA=修士号をとること」
について、以前から相談をしており、
この日は普段から相談にのっていただいているお礼もしようと思っていたのです。
飲み会後、X先生を誘って2軒目へ行くことにした私は、
ビジネススクールでの進捗報告などをしておりました。
「どうですか、鳩さん、ビジネススクールの方は」
「いやあ、X先生、ハードですが、なんとか付いていっています」
などと、型通りの会話をしていたときのことです。
「ときに鳩さん、MBAというのは、すなわち経営学修士ですね」
「そうですねえ。
いやあ、まさか文学部を出て、作業服で働いていた方が長い自分が、
まさかこんな道を進むとは、ははは」
「鳩さん」
「ははは……はい?」
「修士号を取ったら、博士後期課程に進むこともできますよ」
?
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ぽか~んとしましたよね、鳩は。
「ええっと……博士後期課程っていうと、『末は博士か大臣か』の、あの博士ですか」
「そのとおりですね。
私も、研究室では、社会人の博士後期課程の方を指導しているんですよ」
博士号! そういうのもあるのか
私の心の中のリトル井之頭五郎がささやきます。
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というか、多分、声に出ていたと思います。
ビジネススクールを修了する
=働きながら勉強する道の「あがり」
だと思っていたものですから、
この選択肢はまったくもって、鳩に豆鉄砲でした。
と同時に、
「まあ、そういう奇特な人もいるのだろうな」
ぐらいに思ったのですね。
ところが、あろうことかX先生は、こんなことをおっしゃるわけです。
「どうですか、鳩さん……私の研究室に来てみませんか」
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3.行き当たりばったり
思い返せば、私のキャリア形成は行き当たりばったりそのものでした。
京都を観光しているときに、
「ああ~赤い鳥居がいっぱいだ~
飛んでる鳩まで高貴に見えて、楽しいなア~
この町住んでみてえな~」
と思ったのが理由で、京都の大学を受験したり。
「経済やら法律やらを勉強したいと思う高校生が地球上にいるのか?」
という消去法で、大した志もなく文学部に入ったり。
「2年生までにとっていた必修授業の単位」
の中から、学部の研究室を選んだり。
最終面接会場で内定を1つもらったとたん、
「両親が遊びに来てるんで帰ります。
いまから花見しなくちゃいけないんで」
と、歓迎モードの企業を後にするとともに、さっさと就職活動を終えたり。
なのに気づけば、自分が、経営学について勉強している地球上の人間のうちの1人になっていたり……。
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そして、そんな自分はいま。
駅のガード下の飲み屋で、
大学院の博士後期課程への勧誘を受けている……。
「すみません、酔っぱらいの言っていることなので、忘れてください」
と、そのときのX先生は、話を終えようとしました。
しかし、なぜだか会話を終えたくないと思った鳩は、思いつくままに口を開きます。
「いえいえ……博士号……そんなキャリア形成も魅力的ですね……
X先生の研究室でなら、とても素晴らしい選択肢のように思います」
と鳩が答えると、X先生は、
「本当ですか……私の研究室がですか?」
「はい、おもしろい選択肢だなと」
「いやあ、ははは。冗談ですよねえ、鳩さん」
「いえいえ、そういうわけでは」
「でも、私、厳しいですよお?」
いつもにこやかに話されるX先生が、笑顔のままそうおっしゃるのを聞いて、一瞬鳩はたじろぎます。
普段はニコニコしているのに、指導に本気になると恐ろしくなる、
「安西先生パターン」もありうるかと思ったわけです。
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私の動揺を察したのか、そこで博士号の話は終わり、X先生と別れることになりました。
しかし、まだビジネススクールに入ってからほんの3か月目で起きたその日の会話はずっと私の心に残り続けることとなります。
さて、次回は、勧誘を受けた後に考えたことなどを、つらつら書いてみました。↓↓↓
お楽しみに。
to be contined…
参考資料
・挿入マンガ①:はんざき朝未『無能の鷹』(講談社)
・挿入マンガ②:久住昌之(原作)谷口ジロー(作画)『孤独のグルメ』(扶桑社)
・挿入マンガ③④・タイトル:板垣恵介『バキ』(秋田書店)
・挿入マンガ⑤:井上雄彦『スラムダンク』(集英社)
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