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読んで分かる!人物イラスト描画#01

  早速ですが、あなたは絵を描こうとして、ここでは特に、ヒトを描こうとして、「あまりにも自身の思い通りにいかない!」という経験をしたことはありませんか?その気持ち、よくわかります。実際、いざ描いてみようとすると、「どこから描けばいいのか」「何をどう配置すればいいのか、顔は?体は?」と試行錯誤した結果、最終的に出来上がったものが最初思い描いたイメージとかけ離れていたり、明らかにバランスがおかしくなる、といったことが良く起こるかもしれません。結果として、「絵を描く」という事に苦手意識を持ってしまい、簡単な絵を描く事すら避けるようになってしまう可能性すらあります。
 
 しかし、実はこれは描きたいモノ、今回は人物に関して簡単なイメージを持ち、段階を踏むことで解決できるのです。この記事では「絵を描くハードルを下げる」事を目的として述べていきます。

あなたは学生の頃、国語で「生き物は円柱形」という学習教材を学んだことはありませんか?この教材自体は『多様性を持つ生き物の、形の共通性は円柱形だ』[1]というテーマを元に、それが生物にとってどのような利点をもたらすのか、また多様性の中の共通性の面白さについて語られた物ですが、ここで私が言いたいことはズバリ簡潔に、人間も円柱形で表現できるのだ、という事です。首、胴体、腕、脚、指といったパーツは円柱形ですし、頭も上から見れば丸で、横から見れば四角いため、円柱とみなせます(図1)。


[1] 「生き物は円柱形」国語・説明文 教材研究資料~段落の関係や要約~ | EDUPEDIA

 なぜ私がこの話をしたのかというと、絵に苦手意識のある人は描こうとするものを立体として見ることができていないのではないかと考えているからです。試しに、今、絵の苦手な人の描いた「イヌ」を想像してみてください。ーーーそれはきっと袋文字のZに顔がついて、下から同じ長さの棒が四本出たナスカの地上絵のような見た目をしているのではないかと思います。これは、描こうとするイヌを立体としてみなせず、奥行きがないために脚の右も左も奥も手前も同じように、つまり像を平面として考えている為にこのような絵になってしまうのではないかと考えられます。ここから言えることは、「対象を立体として捉えることが重要である」ということです。(図2)

 次に絵の苦手な人の描く「ヒト」を想像してみてください。
ーーーおそらく、やはり平面的だろうとは思われます。しかし、「イヌ」を描くときと「ヒト」を描くときで異なるのは、ヒトは二足歩行なためより平面的で、四肢も腕、脚とそれぞれに分かれ、五本の指を持っているということです。そして、イメージが十分でない人はそれらをパーツで区切って描くのではなく、連続した線で描き切ろうとするでしょう。結果として、大きく丸い頭の下にすぐ腕が生え、胴体が短く、脚は大きいという不格好なヒトガタが思い描かれてしまったのではないかと思われます。何が言いたいのかというと、絵が苦手だと思っている人は、「「頭」と「体」以上のパーツの区分が十分でない」という事です。先ほど「生き物は円柱形」の段で話した通り、人間は、頭、首、胴体、腕、脚、指と(もっと細分化することはできますが)区切れているのに、それを意識できていないため、一筆書きで平面的な絵になりがちになってしまうのです。ここから言えることは、「対象のもつ要素でパーツを分けて認識する事が重要である」ということです。(図2)

 
 いかがでしたでしょうか。絵を描く前に、少しでも具体的なイメージを持つことで、少しでも「絵を描く」事へのハードルを下げることができれば幸いです。