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ヒト科でも登れるボルダリング

前回までに一通りのボルダリングの知識を得ることができたと思う。
そのため今回は歴史や競技シーンのおさらいしていきたいと思う。

ボルダリングの基礎となっているのは勿論急な岩壁を登る行為であるロッククライミングから生まれた事を知っている人が多いと思う。

ボルダリングはフリークライミングとしてかなり古くから存在し続けていた。しかし、競技化がされたのは1990年代後半と競技の歴史はかなり浅い。

ボルダリングという種目名も大きな岩を意味するBOULDERから来ており、他のスポーツクライミング競技に比べるとスピードやタイムといった明確な基準があるわけではないため、確かに岩山というよりは少しこじんまりとした低めの壁を如何に登り切れるかという技量を示すスタイルになっている。

さらに強い選手を多く輩出している土地にもかなり特色が出ている。

伝統的に強いとされているのは、イタリア、フランス、ドイツ、オーストリアなどのヨーロッパ諸国であり、言わずもがなアルプス山脈周辺の険しい岩山を擁する国々となっている。

他にも、島国兼山国でもあるわれらが日本も1950年代よりクライミング競技者が存在し、人工的な壁面を用いたスポーツクライミングとして独自の進化を続けていたのだ。

そのためか、2019年の世界選手権では男子が優勝、女子が準優勝とかなりの好成績を残している。
この時優勝を飾った楢崎智亜選手は海外ではNINJAという異名で呼ばれており、海外選手に比べると小柄であるが類稀な跳躍力を用いて独特なスタイルでのクライミングを見せてくれる。

別の競技になってしまうがスピード競技で楢崎選手の生み出したTOMOA Skipと呼ばれる技があり、スタートのホールドから体を伸身させ2つ目のホールドを飛ばしてタイムを短縮する。

この技は世界選手権で楢崎選手が見せたのち多くの選手が取り入れ、タイムの水準が大きく変わった。

ボルダリング競技で筆者が非常に印象的であったのは、指の先でしか掛からないような遠い壁に向かって、ダイノという片手で飛びつく技を用いて飛びつき、T字の宙ぶらりんのまま体を持ち上げた場面でした。

実際に目にしないと伝わりにくいかもしれないが、グリコの様なポーズでさらに指先だけで体を引き上げきったその姿は圧巻であった。


このように自身で登ってみるだけではなく、競技の鑑賞をしてみるとよりボルダリングを楽しめるかもしれない。

繰り返しになるがGoogleマップに近くのボルダリングジムと入力し3000円を財布に忍ばせ行ってみるといいだろう。

ここまで読んだあなたならより深くボルダリングを楽しめるかもしれない。