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オリンピック競技ボルダリング!

前回の記事にてボルダリングの2つの側面を浅く広く紹介したため、今回は競技の側面の深堀りを行いたいと思う。

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オリンピックでは3-5mの壁に複数のコースが課題として出され、4分の制限時間内に課題のトップ(最上部)のホールド(人工的な岩を模した部品)を両手で保持することで、クリアとなる。

同じクリア数の者がいる場合はコースをクリアするために掛かったトライ数で順位が決まる。

コースには3センチほどの溝が縦に連なっている亀裂のようなもの、指先しか掛からないような小さな窪み、体より大きなとっかかりのないつるりとした岩等、様々なホールドが組み合わされることでコースになる。
そのためボルダリングは「カラダを使ったチェス」と言われ、体だけではなく頭脳を使い自身の登りやすいコースを模索し課題をクリアしていく。

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ボルダリングは制限時間の中で如何に自分自身と向き合うことが出来るかが鍵になっていると私は考えている。

課題のゴールのためにいかに動き、どんなプランで到達を目指すかとゴールまでの道順を自身の限界と相談しながらトップのホールドを目指すのだ。
課題をクリアするルートはひとつだけではなく、人と同じアプローチをしたからと言ってクリアできるとは限らないのだ。

競技開始前のオブザベーションと呼ばれる初めての壁を確認し、課題のルートを考えてみる時間がある。
しかし、この時間以外は他の選手と言葉を交わすことはできず、他の選手のクライミングを見ることも許されていない。
つまり競技が始まると自分一人で課題と対面することになる。

そのため、負けず嫌いな選手ほどクリアできない課題にぶつかった時に燃え上がり、自身の限界を超える様な動きに挑戦する様を見ることができる。

オリンピックではこんな壁も登ってしまうのかと感じる反りたった壁や両手を広げても届かない離れたホールドが課題としてでてくる。

そんなおおよそクリアできなさそうな離れたホールドでもクリアの仕方に個性が出る。
体全体で勢いをつけホールドに飛び移るダイナミックな動き、足の先だけで体を支え体重移動で次のホールドへ指をかけ、かけた指を頼りに足やかけていない方の腕を壁の小さな凹凸を使いゆっくりと体を引きあげる繊細な動きと選手の得意な動きで次々とクリアしていく。

前の選手が一見簡単そうに登ったにも関わらず似た体形の選手が苦労し、何度もトライを繰り返す事があったりする。

ボルダリングの競技を鑑賞するときはそんな選手の個性に注目して見てみると面白いかもしれない。