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仙台本屋案内 3

金港堂

青葉通一番町駅から歩いて数分。サンモール一番町を南側に歩くと、今回訪れた金港堂はあります。
店に入る前には、「今週いちばん売れている本はこれです」というスペースがあります。

店内は3階建て。地下1階は専門書やコミックと岩波の本、1階は文芸、文庫新書や郷土関連の本、旅行関連などとなっています。2階はというと、どうやらイベントを行える場所となっているようで、サンモール古本市の会場になっていたようです。地下に下りる階段には金港堂が出版している書籍のコーナーがありました。
創業は1910年。横浜で原亮三郎が創業した版元金港堂で働いていた藤原佐吉が暖簾分けの形で開いたのが仙台の金港堂です。創業当時は藤原金港堂だったようです。当時は東北・函館の出版取次もやっていたようです(『日本の書店百年』より)
藤原佐吉について少し調べてみる。田中治男の書いた『書店人国記(一)』によれば、「東京に飛び出す。勤めた店が教科書出版書肆須原屋」。『日本の書店百年』も見てみる。3代目の藤原佐一郎曰く、「浦和の須原さんのおじいさんと、うちの祖父がだいたい同じ頃に浅草の須原屋にいたんじゃないかと思うんです」。この藤原佐一郎の話は1970年の「日販通信」が初出なので、この「浦和の須原さんのおじいさん」はもしかすると高野(丸山)幸吉なのかもしれませんが、手元の資料ではここまではわからないので、今後調べてみようと思います。
藤原佐吉はその後、前橋にて独立。教科書の出版販売を行っていたようですが、どうやら日本橋の金港堂(版元)の教科書が採用されたという。その後は原亮三郎によって金港堂に迎え入れられたとのこと。仙台の金港堂でも教科書の販売を行っていたそうでした。
金港堂=教科書、という認識だったので今も教科書販売をやっているかと思ったら、2020年に辞めていたようです。
『書店人国記(一)』によると、どうやら金港堂出身者の中で独立して本屋を開いている人がいたようなので、今後はその人達についても、ちょっと調べてみたいところです。例えば高山書店の高山七郎とか。
この高山七郎、なかなか金港堂時代は波乱万丈、という感じがしました……

店を出たあと、サンモールで「キンコンカンコン金港堂」という音楽が流れていましたが、これは耳に残りますね……

今回買った本

今回買った本は『せんだい百景 いま昔 写真がつなぐ半世紀』(河北新報出版センター)、『山形夢横丁/セピアの町』(金港堂出版部)と『復刻 仙台市街明細地図(昭和27年版)』の2冊と1枚。せっかく仙台に来たということで、ご当地の版元の本と、あとは金港堂出版部から選んでみました。地図もなんとなく購入。地図を見ると「金港堂」の文字がしっかりありました。

版元金港堂については、皓星社から出ている『明治出版史上の金港堂 社史のない出版社「史」の試み』がオススメです。


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