人生を逆算で考えた時のデッドラインで反復横跳びしている

「いやー、やっぱさ。普通に結婚して子供産んでってしよと思ったらそろそろ出会っとかんとヤバくね?」っていう話を聞いて、誇張無しに愕然としてしまった。あ、そっか。私達そろそろ「ヤバい」フェーズに入っとんのか。

彼氏欲しいとか結構でかめの声で言うたりしてるけど、果たして心の底からそう言うてんのかと聞かれると難しい。
私の周囲の人たちは、どうやら人生を逆算して考えてるらしい。
まず、大体80歳くらいで死ぬと仮定して。死ぬまでに孫の顔を見たいと思ったら、死ぬまでに自分の子供が子供を産める年齢になってないといけない。大体、20代後半~30代前半くらい? それに加えて子供が結婚するまでの期間とかそういうのを諸々計算に含めたら、まあ無難に30歳くらいまでには子供が生まれる準備が整ってないといけん。ということは、30歳までに結婚を済ませている必要がある。30歳までに結婚を済ませようと思ったら、付き合う期間も考えて25歳くらいには『運命の人』と出会っている必要がある……と、こんな具合に。
そうなってくると、確かに『ヤバい』フェーズには入ってる。めちゃくちゃ入ってる。現在22歳、彼氏無し。かなりヤバい。ゲームやったら右上に赤字でカウントダウンの時計が表示されてるレベルでヤバい。だって、一発目で『運命の人』引き当てたらそれでええけど、そんな上手いこと見つかるはずもないし。何度か失敗することも想定しておくとしたら、私の年齢ではもう既に何人かの人と付き合ったという『経歴』が無いと間に合わん。

いや、『間に合わん』って何?

そもそも、人生を逆算で考えること自体『正解』なのかどうか。
そりゃ、人生を可能な限りドラマチックに終えようと思ったら、逆算したほうがええんかもしれんよ。華々しいラストには、さりげなくも確かな伏線と、華麗な伏線回収が必要って、映画やらアニメが教えてくれるやんか。素晴らしいラストにしようと思ったら、伏線を張っとく必要があんのよ。人生においても。
けど、私別にそこまでして「ドラマチックなラスト」を迎えたくもないというかさ。
ガチガチに伏線張った人生って、「伏線が回収される」ことを前提に進んで行くから、もし伏線が回収されんかった場合、「生存意義」に関係してくると思わん?

例えば、さっきみたいに恋愛を軸にして考えた場合。30歳までに結婚の準備を整えるために、20歳くらいから「完璧な運命の人」を探し始めるとする。一年経ち、二年経ち、結局25歳まで「運命の人」は現れなかった。
……この場合、どうすんの? もう伏線危ういやん。回収難しくなってきたで。
この後30歳過ぎても結婚できなかった場合、想定していた「華々しいラスト」に向かう確率ってめっちゃ下がっていくやんか。しかも、「30歳までに結婚する」という目標のために、自分磨きやら出会い探しやら頑張っていたとしたら、それが「報われない」ってことにすげえ注目してしまわん? 大丈夫か? 
更に言うと、その「ラスト」に向かうために、無理やり「運命の人」を作ろうとしてしまうっていうケースもあると思う。し、「運命の人」やと思い込む、っていうケースもあると思う。どっちの場合も、予想通りの「ラスト」に向かう確率は低い。

そうなってくるとやっぱり、人生を逆算して今の決定をするのは間違ってんじゃないかって思うわけよ、私は。知らんけど。
どうせ人生なんてどんだけ頑張ったって上手いこといかんもんなんやし、それでもなお自分の首を絞める物を一個増やしてどないすんのよ。お前の幸せは1個だけなんか?

とか俯瞰して言うてはみたけど、要は多分またこれも負け犬の戯言なんよね。
人生を逆算「できなかった」から、失敗を繰り返してる。ちゃんと将来のこと考えて決定した人のことが心底羨ましい。でも、羨ましいとかすごいねって言うのは癪に障る。だから、どうにかして自分が正しいと思い込もうとしている。自分が「踏み外した」んじゃなくて、自分だけが「正しい道を歩んでる」と思い込もうとしている。

分かっちゃいる。多分マジで私は「ヤバい」フェーズに入ってる。知ってる。けど、まるで自分は何も気にしていないみたいな顔で振舞っている。イタい女。なんてイタい女。

こういう「ヤバさ」から目を背け続けていたら、友達にすっかり置いてかれてしもた。小学校の時一緒にカエル捕まえてた子は、今や結婚秒読み状態だってよ。私、今でもカエル捕まえて喜んでんのに。馬鹿みたい。馬鹿みたいだよ、ほんまに。情けねー人生歩んでんのはどっちだ、っつってね。酒飲んで寝て忘れようね。おやすみ、世界。起きたら「幸せ」っちゅう概念消えててくれ。頼むわ。

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