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いつもポケットにサバンナを

最近、youtubeでナミブ砂漠のライブカメラを見ることにハマっている。

アフリカ南部にナミビア共和国という国がある。その国の西側、大西洋岸沿いに南北に細長く続くのがナミブ砂漠。世界最古の砂漠と考えられていて世界遺産にも登録されているらしい(今調べた)。ほえー。

ここに人工の水飲み場を作り、カメラを設置して常にライブ配信をしてくれているというわけなのだ。

水飲み場にはナミブ砂漠に生きるいろいろな動物たちが現れたり現れなかったりする。ライブ配信なのでもちろんいつも何かがいるわけではないし、いたとして何かドラマが巻き起こるわけでもない。そういうものを期待するあなたはライオンキングを見ておいで。だいたいは動物がただ水を飲み、少しの間だけそこにいてそれぞれの営みに戻っていく。

私は毎日の通勤電車の中とか、ちょっと手持ちぶさたな時間ができた時にスマホからこのライブカメラを見たりする。あとはnoteを書く作業時間なんかに特に見るでもなく横で流したりとか。何日かそうやって見ていると、そこに動物それぞれの個性や動物同士の約束事がある感じが見えてきて面白い。あと現れる動物の「レア度」もだんだんとわかってきた。

個人的に一番よく見かけるのはオリックス。もののけ姫のヤックルみたいな長いツノを持っている。このツノ、見た目的にとてもかっこいいのだけど長すぎて使いにくいだろうなあと思う。オリックス自身はそう思ってないのだろうか。でも不便と思っていたら短く進化していくはずで、実は水面に映る自分のツノにうっとりとしているのかもしれない。なのでオリックスはナルシストじゃないかと私は見ている。

自分にうっとり

次によく見かけるのがダチョウ。図鑑には最高時速70kmで走ると書いてあったが、ここに現れる時はだいたいびっくりするくらい遅い。画面の端から首だけ見えたかと思うと、30秒くらいかけて黒い胴体部分がのそーっとでてくる。いくらなんでも遅すぎだろう、と思う。のんびり屋すぎる。

14時12分16秒
14時12分36秒
14時12分51秒

あと先日、(私の中で)珍しい動物を見た。こどもたちの寝かしつけをしたまま寝落ちしてしまい、深夜に目が覚めた日があった。時間を確認するために手元のスマホを見るとこのライブ配信をつけっぱなしで寝ていたようで、見るとちょうどシマウマが群れで水を飲みに来ていたところだった。

!!

この感動、なんだろう。ガチャでSR(スーパーレア)を引いた気分に近いかもしれない。こんな夜中に水を飲みに来ていたなんて!

見つけた興奮で目が覚めてしまい、ついでにシマウマの生態を調べてみると彼らは一日2時間しか寝ないらしい。なんてショートスリーパーなんだ。動物界の明石家さんまさんじゃん。と思ったら一頭が大きな口を開けてあくびをしていた。あ、あくびはするんですね。

あとはまだ見かけたことはないけど、運が良いとキリンやチーターが現れることもあるという。さらに番外編のレアキャラとしてたまに管理のおじさんが映り込むというのも教えてもらった。おじさん、いつか見てみたいなあ。

今日は私なりにこのライブカメラの良さをお伝えしたかったのだけど、はたしてうまく伝わったかどうかわからない。この不思議な魅力はなんだろう。ぜひ見て感じてみてほしい。結局それしか言えない。

ちなみに「ナミブ」というのは現地に住むサン族の言葉で「なにもない」という意味らしい。その言葉の通り、水飲み場の奥にはただ広大な砂漠が広がり、乾いた色の空がある。聞こえてくるのは風の音、動物たちの足音、時々入る動物たちの声、それだけである。

仕事や家事や育児に疲れてちょっとひと息つきたい時。でもインスタもXもnoteも見すぎてなんとなく情報に疲れた時。たまに「なにもない」を見てぼーっとしていると、おちつく〜。

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