NEXTロケット物語　　　　　　　　　　第1話：「NEXTロケット」の夢

2024年6月30日 19:47

株式会社HOLDINGSは、設立以来、宇宙への夢を抱き続けていた。その夢は、次世代の宇宙ロケット「NEXTロケット」の開発にかけられていた。このロケットは水を推進剤として用いる、全く新しいコンセプトのものであった。

中砂いおる（なかすないおる）：プロジェクトリーダー。夢を追い続ける情熱家であり、技術の革新に強い信念を持つ。

酒井宣仁（さかいのぶひと）：エンジニアリング担当。技術力に優れ、冷静沈着な性格でプロジェクトの技術面を支える。

川崎優（かわさきゆう）：広報と資金調達担当。交渉術に長けており、スポンサーからの資金を確保するために奔走する。

中洲川広（なかすがわこう）：プロジェクトの財務担当。プロジェクトの予算管理と経費削減を担当し、冷静な判断力を持つ。

「NEXTロケットが完成すれば、宇宙への道が大きく開かれるんだ。」中砂いおるはオフィスの窓から遠くを見つめながら、心の中でそうつぶやいた。

彼が夢見るロケットは、従来のロケットとは全く異なるものだった。水を推進剤とすることで、環境に優しく、そしてコストを大幅に削減できる可能性があった。しかし、その実現には数々の困難が待ち受けていた。

「まずはエンジンの試作から始めよう。」いおるは、酒井宣仁に向かって言った。

「了解です、いおるさん。でも、これは簡単なプロジェクトじゃないですよ。」宣仁は慎重な口調で答えた。

「わかってるさ。でも、やらなきゃ始まらない。」いおるの目には決意の色が宿っていた。

数ヶ月後、初めてのエンジン試験が行われた。結果は失敗。エンジンは点火せず、原因不明の故障が発生した。

「どうしてうまくいかないんだ…」いおるは悔しさに声を震わせた。

「いおるさん、これが始まりです。原因を探して改善すれば、次は成功するかもしれません。」宣仁が冷静に答えた。

その後も何度も試験が繰り返されたが、成功は訪れなかった。資金も尽きかけ、プロジェクトの存続が危ぶまれた。

「川崎、どうにかスポンサーを探せないか？」いおるは川崎優に頼んだ。

「わかりました。少し時間をください。」川崎はそう答え、次のスポンサー探しに奔走した。

数週間後、川崎は一つの大企業から資金提供の約束を取り付けた。これにより、プロジェクトは再び動き出した。

「これでまた続けられる。」いおるは希望の光を見た気がした。

次の試験では、今までの失敗から学んだ改良を加えた。チーム全員が一丸となり、失敗の原因を一つずつ解決していった。

「点火準備完了。」宣仁が静かに言った。

「よし、始めよう。」いおるは深呼吸をして、スイッチを押した。

エンジンが点火し、白い煙が立ち上る。音が響き渡る中、ロケットはゆっくりと上昇を始めた。

「成功だ…」いおるの目から涙がこぼれた。

「これで終わりじゃない、ここからが本当の始まりだ。」いおるは仲間たちに向かって言った。

「そうですね。次はロケット本体の製造に取り掛かりましょう。」宣仁が応えた。

「スポンサーの信頼をもっと得るためにも、成功を続けなければ。」川崎が意気込む。

「予算も計画通りに進めるように、しっかり管理します。」中洲川が冷静に言った。

こうして、株式会社HOLDINGSの挑戦は続いていった。彼らの夢はまだ始まったばかり。次世代の宇宙ロケット「NEXTロケット」が、いつの日か宇宙へ飛び立つその日まで、彼らの挑戦は終わらない。