同じ作品に全年齢版とR18版があるワケ
3月9日、新刊が発売されましたー！！
月夜野の3冊目の電子書籍です！
これまでnoteではデータのまとめしかしてこなかったので（すみません）、少し作品についてのこぼれ話などをしてみようかなと思います。
新刊『婚約破棄された悪役令嬢ですが、十歳年下の美少年に溺愛されて困っています』
実はこのお話、私の処女作の全年齢版なのです。
つまり順番的にはR18版を先に書いて、それを全年齢向けに改稿しました。
今回はそのへんの裏話をしてみますね。
R18版はタイトルが違って、『悪役令嬢は十歳年下の美少年に溺愛される』といいます。
初出はムーンライトノベルズで、2020年11月05日～2020年12月05日に連載していました。
ちょっと話が逸れますが、私はR18版の『悪役令嬢は十歳年下の美少年に溺愛される』にひと区切りつけたあと、別の長編に取りかかりました。
それが『身代わり聖女の初夜権～国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています～』です。
連載は2021/01/21～2021/02/12。
私は毎回お話のテーマとは別に、創作についての研究テーマみたいなものを設けてチャレンジするのが楽しみなのですが（たぶんだれも気づいていない笑）、このときは初心者のくせにかなり特殊な挑戦をしました。
――性描写のシーンを最初から切り離せるような構成を組み立てられるか。
たとえば第2話に性描写があるとすると、その回だけ切り離して、第1話→第3話と続けても矛盾のない書き方をする。
全年齢版を連載するときは、第2話を省くので話数がずれていくわけです。
登場人物の気持ちの流れ、行為の最中にしゃべったこと、その間にあった事件……それらを何事もなかったかのようにつなげていく。
ムーンライトノベルズと「小説家になろう」両方に掲載できる作品を目指し、がんばってみました。
ぴよぴよの初心者には当然難しかったですが、挑戦自体は楽しかったです。
ちなみに『身代わり聖女』は第5回ムーンドロップス恋愛小説コンテストで一次選考（最終）を通過しました。
その後ありがたくも宙出版さまにお声がけをいただき、電子書籍化、そしてコミカライズをしていただくことになりました。
商業化したのはR18版のほうです。
話を戻します。
『身代わり聖女』の全年齢化作業をしていたとき、私はふと思いました。
――なんにも考えずにR18街道を突っ走った処女作『悪役令嬢』を全年齢化したらどうなるんだろう？
それは単なる好奇心でしたが、ちょっとした事情もありました。
実はですね、作品の性質上、R18版だとエントリーできるコンテストが限られるのです。
はっきり言っちゃえば、だいたいのTLのコンテストの条件は「主要登場人物が18歳以上に限る」なのですね。
処女作を書きはじめたときは、コンテストへの応募はまったく考えていませんでした。
もう情熱のままに突っ走ったため、ヒーローがショ○！（一応伏せ字）
ありがたいことに第2回ジュリアンパブリッシング恋愛小説大賞では、ありのままのR18版で一次選考を通過することができました。
ほんとJパブさまの懐の深さに感謝しましたよ～。
でも、やっぱり商業作品としては難しいのもわかっていました。
案の定、最終選考まではたどり着けない。
ほかに18歳未満のヒーローを受け入れてくれるTLのコンテストはないし、どうしよう……。
そこでピコーンと閃きました。
――全年齢なら可能性があるんじゃない！？
長編が中編になるくらいR18シーンを徹底的に削って、性描写がなくてもキャラクターやストーリーをおもしろく見せられるように工夫して……と、こちらも大改稿開始！
その結果、全年齢版の戦績は、異世界恋愛小説コンテストの二次選考（最終）通過。
結局受賞には至らなかったのですが、ミーティアノベルスさまにご縁をいただくことができました。
やっぱり処女作って自分の性癖が目いっぱい詰まってて、特別な思いがありますよね。
それをこうして電子書籍の形にしていただけて、本当にありがたく思っています。
あとはそうだなぁ、実は異世界恋愛小説コンテストは、コミカライズの原作を選ぶコンテストだったので、いつか『悪役令嬢』が漫画になったらいいなーと贅沢な夢を見ています。
うん、夢を見るのは自由だもんね！
さて「同じ作品に全年齢版とR18版があるワケ」の舞台裏、これでオチがついたかな？
またいつか各作品のこぼれ話を書いてみたいとです。
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