台湾へ 四知堂ほか
今回の台湾で、どうしても行きたかったお店、四知堂。敬愛する吉本ばななさんが台湾でいちばん好きなお店、と書いていたので興味深々。
ちょっと迷って辿り着きました。看板もなくて、ここで良いのかな? と不安になりつつも、奥に扉を確認。まだ早い時間で暑いし汗だくだし、涼もうと目の前のカフェっぽいところをノック。そのカフェ、実はカフェではなく料理教室でした。しかも開店準備中。なぜ入れてくれたのか分かりません(笑)。コーヒーならある(でもまだ値段は決めてなかった)と持ってきてくれたオーナー夫人と話すうち、お互い日本人であることが判明し、東京のお店についてや台湾のひとってこうなのよ〜と小一時間盛り上がりました。一宿一飯ならぬ一飲のお礼に、油化街で買ったばかりの薔薇高山烏龍茶のボトルを差し上げました。
時間になって扉を開けるも、お客さんは私ひとり。たくさんの人たちが集っては楽しく笑って飲んで食べた雰囲気が満ちている、おいしいものがいかにも出てきそうな気配の中へ。
アンティークの家具がシックに配置され、どれもこれも私好み。
これは瓜系の野菜と木耳と豆豉の炒めもの(だった気がする)。今までに食べたことのない食感と味わい。薬膳な感じ。
竹の子のお刺身は、珍しいから食べてみてとオーナーが持ってきてくれたもの。ぷるぷるコリコリですごく甘い。この柔らかさはついさっき仕入れてきたからだよ。このオリーブオイルもおいしいでしょう。ところであなたはひとり? と聞かれてそうだと答えたら、寂しくないかと気にしてくれて、オススメ料理の説明や朝市情報を話しに来てくれました。(全然ひとりでも大丈夫なんですけど、優しいなあと思いました)
これはおすすめされた鶏肉とレンコン、トマトの煮込み。どれも、今まで食べたことのない味に仕上がっているんです。知ってる台湾料理とは違う、オリエンタルとヨーロッパが混ざった、上等なエスニック。ワインと合う料理、と言ったら伝わるでしょうか。なんだかこの空間そのもののように、バラバラな家具が絶妙に配置されて全てがしっくり収まっているように、素材はどれもしっかり主張しながらも全体は四知堂の味になって、意外な美味しさに仕上がっています。赤ワインのボトルを飲みながらだんだん混雑してきた店内をボーッと眺めてると、このお店での食事をみなさんがとても楽しみにしていることや、久しぶりに会う人たちが再会を喜びオーナーも全体を包み込みながらそれぞれのテーブルを回って楽しんで・・・と、お店じゃなく知ってる人の家でくつろいでいるような気分になりました。
もっと色々食べたかったけど満腹、ひとりの残念なところは種類をたくさん頼めないこと。さて腹ごなしに誠品書店でも行こうかな。まだまだ台湾の夜は続きます。
戦利品をベットに並べるの図。