すばらしき世界
西川美和監督の新しい映画。
役所広司さんはじめ、本当にキャストの方々が素晴らしく魅力的な作品でした。
28年間、刑務所で過ごした主人公が出てきた世界はとてつもなく生きづらく、その中で人のあたたかさに触れながらももがく姿に胸がえぐられたり、何が正しい事なのか…と考えさせられたり。
主人公 三上の凶暴な姿からチャーミングな姿まで1人の人間のもつ振り幅を役所広司さんが体現されていて、どの作品を観てもいつも感じますが本当に凄い役者さんだなと。
主人公がうまくいかない日常にイライラが募り、スーパーの店長との会話のなかで声を荒げるシーンがあるのですが、
その時のスーパーの店長(六角精児さん)の言葉がなんだかとても印象に残っています。
「今日の三上さんは虫の居所が悪いんだね」
怒りに怒りでぶつけるのではなく、その言葉に相手を想う優しさとあたたかさみたいなものを感じて何気ないですが、
わたしは好きなシーンでした。
このシーンだけでなく、そんな気持ちになる場面やグッと胸に刺さる言葉がいくつもありました。
きっと観た人それぞれにこの社会を生きる中で何を大事にどう生きるのかを考えさせられるような作品なんじゃないかと思います。
西川美和監督の1作品前の【永い言い訳】を観た時にも思いましたが、
どうしようもないクセのある主人公がもがく姿を描かれていて、胸を刺すような気持ちにもなるけれど苦しいだけの世界ではなく、あたたかくやさしい世界がちゃんと丁寧に表現されている所が西川美和監督作品の素敵なところだなと思います。
写真はパンフレットですが読み応えのあるボリュームと内容で、お値段以上でした。
話は少しズレますが、
わたしはヘアメイクを仕事としています。
モデル撮影やタレント俳優さんのイベントやスチール撮影のヘアメイクが多く、映画の世界とは無縁でした。
が、お手伝いというカタチではありますが映画の現場を数週間、経験させて頂く機会がありました。(すばらしき世界の現場ではありません)
色々な失敗や反省もたくさんありますが、それはひとまず置いておいて…
役者さんはじめスタッフの方々も含め役や作品との向き合い方を目の当たりにして、仕事への向き合い方をまた新たに学ぶ事が出来ました。
あの現場での経験はこの先の自分にとっても大切にしていかないといけない貴重な出来事でした。
わたしが見させてもらったものはまだまだ一部かもしれませんが、映画がどうやって制作されていくのか…関われた事に感謝しています。
映画をもっともっと観ていこうと思いましたし、何よりもっと本を読み込むチカラをつけたいと思いました。
舞台や映画や音楽、お笑いもそうですが、
やっぱりエンタメのチカラに助けられているし、必要不可欠なものだと思っていて
それぞれに尊敬の念を持っています。
ヘアメイクとしてそれらに関わる事がこの先少しでも出来るといいな。。。
なんて秘かな夢?目標?を持ち始めたりなんかしています。
大きな声では言えませんが…
"言霊" を信じたりなんかして…笑
ココにひっそりと書き留めておきます。
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