【追想シリーズ】 引っ越し in Hamburg (2021)

渡独して最初に住んだお家。
幸運にも建物に先輩方がいらして、大学から近くて、大安心。家賃もお安く、何より、家の見つからないドイツで、見つかったということがラッキーだった。
ただ、小さな屋根裏部屋であったそこは、大きく3歩歩けば隅から隅まで移動できてしまって、背伸びをすれば天井に当たる小さな空間。安心するけれど感情も閉ざしやすい。そこに対人禁止令と、寝返りを打つこともできない2年半で、少しずつやられていきました。決定打は、外に出ることにもの凄く大きな精神力が必要となったこと。家で勉強できることを夢見て、それができなければ退学するしか無いかななんて思っていました。そうしてやっと引っ越しという大チャレンジに本腰を入れ始めたのです。

いまはネットの時代、理想は誰かの紹介でNachmieter (次契約者?) として入居することですが、それは宝くじに当たる…よりは高い確率かしら?いずれにせよ珍しいラッキーかと思います。そうなれば、主には不動産に問い合わせるか、ネット上での検索。前者は物件も仲介料も非常に高いことが殆どなので、後者に頼ります。ImmobilienScout24、WG-gesucht、e-bay、Mix-Bにドイツ掲示板、大学の張り紙、ユーロエステート、そしてWunderflarts。ありとあらゆるサイトを使いました。練習の合間を縫って、もはや練習より優先して… 数ヶ月のサイトとの闘いです。人気のお部屋はサイトに出た瞬間に消えるのです。
そうしてひたすらに(詐欺を頑張って避けながら…やたら綺麗な写真または良い立地と安い家賃、そして貸主が海外にいて内見ができないというのもかなり危険。) 問い合わせて、偶に返信をいただけたらラッキー。さらに運良く内見の日程をいただくことができたら、証明書類をしっかり持って、質問もしっかり纏めて向かいます。もし入居の意思が少しでもあるならば、その場で手続きをできるようにしておかないと、ほぼチャンスはありません。

問い合わせと内見をハシゴしながらに繰り返す日々、中々安心して暮らせそうなところが見つからず、ピアノを置けないところ99.9%、サイト上で傷付く返信を何度もいただいたり、詐欺の横行も目の前に、少しキツイ時間でした。それでも何人もの温かい大家さんや人々との出会いがあったことも思い出します。日本から来たおチビちゃんピアニストのことを、応援してくださる方がいっぱいいらして、様子に感激して嬉しいメールを後からわざわざ書いてくださった方もいらした。

そうしてついに見つかる瞬間が来ました。Wunderflats で運良く見つけた郊外のお家。写真でまずスッと心に気に入りました。大学からも1時間です。
お願いして内見させていただいた日、それは私の25の誕生日でしたが、緊張しつつもワクワクと伺って、ここだ、と思ったことを思い出します。思い描いた理想よりずっと理想的なお家。私の命を助けてくださった(大袈裟?)大家さんたちとの出会いです。感謝しかありません。

長くなってしまいましたが、引っ越し、本当に大変です。ドイツでちゃんと住んでいるみなさんの事、本当に尊敬します。でもみんな、どうにか住んでいます。これから探す人々も、見つかればラッキー、希望を持って、、、応援しています!


Mayu

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