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時代がコジコジに追いついた

「コジコジ」という漫画をご存知だろうか。
「ちびまる子ちゃん」の作者である、さくらももこ氏が生みの親であり、アニメ化もされている。30年ほど前に発表された作品で、ちびまる子ちゃんと比べるとそれほど知名度は高くないと思われるが、2022年にはコジコジ万博(作品展)が開催されたり、色々なグッズが出たりしていて、コジコジの人気がジワジワと高まっているのを感じる。

コジコジは本人も知らなかったのだが宇宙の子供で性別もなくとても長く生きている。ハートの雪を降らせたり、夜空の星を増やしたり、この世の全てを消し去ることさえできる不思議で強大な力を持っているが、決してその力をひけらかすこともないので、周囲はそのことを誰も知らず、寧ろバカ扱いされている。

コジコジは全く勉強ができない。学校に通っているのだが、テストで0点どころかー5点をとってしまう。(自分の名前を書き間違えた)それを先生に咎められるが、本人はどこ吹く風なのである。コジコジに勉強の大切さを問うことを諦めた先生が、将来何になりたいか尋ねるとコジコジは「コジコジはコジコジだよ。将来もずっとコジコジだよ」と答える。それを聞いた先生は己の負けを悟るのだ。

一方、コジコジと先生の会話を盗み聞きしていた半魚鳥の次郎くん(半分鳥で半分魚である男の子。魚と鳥の要素を持ち合わせながら飛ぶことも泳ぐこともできない。こんなキャラクターを思いつく作者は天才だと思う)というクラスメイトがコジコジの言葉に感銘を受ける。自宅で怠け放題な態度を母親にそんなことで将来どうするんだと咎められた彼はコジコジと同じように「俺は将来もずっと次郎さ」と答える。すると彼の母親は「ずっと次郎じゃ困るんだよ!ミッキーにでもスヌーピーでもさっさとなって楽させておくれ!」と怒鳴り強烈なビンタをかますのであった。

いい話で終わらないところがさくらももこワールドの醍醐味であると思う。

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