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寡黙の年中Tくん②

保育士でカメラマンのまゆぽんです。

寡黙の年中児Tくんを
受け持った話の続きです。


前のお話はこちら⬇


寡黙とは、
自分の思いを声で表現しない状態のこと。
その中でも「場面寡黙(ばめんかもく)」と言う、
保育園と言う一定の場面でのみ
「寡黙」になるという状態でした。

だから、Tくんはお家では
声で表現することができていたんですよ。



という、前置きをおいて。


さてさて、
Tくんに対して
他の子と変わらぬ態度で接することにした
私。

しゃべってもらおうとはせず、
かと言って、
話しかけないわけでもなく。

周りの子と同じように
するだけ。


ちょっとした表情の違いで
彼の「声」が聞こえる気がした。

「あ、今ワクワクしているな。」
「ちょっと違うなって、感じているかな。」
「お!“そうだよ”って言いたそうな表情。」

って、ちゃんと伝わってくる。


Tくんは、私が耳で受け取ってないだけで、
心の中では、きっと声に出しているんだ。

でも今はそれを発せないだけ。

彼の聞こえない言葉を
キャッチするぞ!!

と、ごく自然に話しかけていたある日。

とうとう!!!
Tくんから「おはよう。」って挨拶してくれた。


内心、すっごく嬉しくて、
心が跳ね上がるくらいの
気持ちだったんだけど、
「おはよう。」って自然に返した。
自然を装った。


今までも彼は
私が聞こえてないだけで、
「おはよう。」って
心の中で言い続けてくれたと
思っていたから、
ここでオーバーに喜んだり、
褒めたりするのは、
逆効果だ!!!!
と思ったから。 



勇気を振り絞ったTくんを
極当たり前のTくんとして
受け入れたかった。

「おはよう。」と言えたTくんも
声で表現できなかったTくんも
どちらのTくんもTくん。
どちらでも大好き!

って伝えたい気持ちもあった。




その日から、Tくんは
毎日「おはよう。」と
言ってくれるようになった。


…と言うところで、
続きはまた次の投稿で。


Tくんの今後に…乞うご期待!!!

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