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自然派ワインと自然派美容師

自然派ヘア。わたしは肩書きに「自然派美容師」と名乗っていますが
裏側から見ればなんのこっちゃい、と
思われそう。

ワインならわかりますけど。


自然派、と名乗るのは、
美容業界で散々ケミカル三昧を味わって
あるきっかけで見え方が変わったから、なんですけど


都合良く切り捨てる、みたいな感じですが、
一般的に美容師が良しとするヘアスタイルっていうんでしょうか。
あれはもう飽きたな、というか
やりすぎて、お腹いっぱいになったんだと思います。


自分の顔や雰囲気にヘアを合わせる

どんなスタイルにしたいか、っていう時
ヘアカタログから選んだりする方は多いと思うんです。


顔形や雰囲気にマッチしていること、が
似合う、の大前提ですけど一番知りたいことって
カタログには載ってないんですよね。ベターでもベストじゃない、みたいな。

それよりも、初めから自分の顔の雰囲気や自分の性質に似合うものにしたい。と思いませんか?


わたしはモデルさんのような隙のない感じが似合わないし苦手でした。ヘアスタイルは完璧だけど
しっくりこない。

そのうち、
やることは必要最小限で良くて、
髪を染めるときのあの特有な匂いも好きじゃなかったこともやっと認めたのかもしれません。

何かを引き換えにしなくていい、というか。
したいことのための傷みとか悪臭や我慢とかの代償は要らないと思った。


何もしなくていいならしなくていいし
必要以上に髪に時間をかけたくない、と。
美容師なのにね。笑

ただひとつ条件が。

お手入れを楽にするには髪質が大事なんです。
何もしない、だけどヘアスタイルが似合っている、は残念ながらありません。

何もしないんじゃなくて適切なことだけをする。
誰かになりたい、ではなく自分の特性に合わせることが、わたしの思う自然派。


自然派というものの

自然派ってなんなのでしょう。
オーガニックだとか、髪に優しいカラーリングとか
本質ではないただ耳障りが良いことではないのは確かです。

天然成分が数%でも入っていれば
オーガニックの認証もとれますからね。
そこじゃない。


髪は艶が命、というものの、薬剤を使って
艶を出すのは不自然とも言えるし
ストレートな髪が持つ本来の流れや癖を無視して
強めのパーマを続けるのも
根気が必要です。長くは続かない。


理想のスタイルってあると思うんですけど
そんなとき大抵は、自分の持っているものじゃないものに目がいっている。良し悪しじゃなくてそれも自然な流れですね。SNS時代ですから。

だけど、不足していることに合わせると、どこまでも不足の補充になるから終わりがないんです。
反対に自分の持っているものに焦点を合わせたら
自然と似合うヘアスタイルになるものです。


雰囲気に合っていればいいし
そして髪質は変えられるので、髪質が改善されることで自然とまとまりも良くなります。

髪質がよくなくて諦めなきゃならないのは
よくありますから。


わたしは自然派になって8年くらいが経つんですが、
髪は益々健康です。白髪は増えるばかりですが
髪質で悩んだことはほぼありません。
お客様から聞く一番多い意見としては、
「知れて良かった」

そんな時にやっていて良かったと思います。
髪に極力ケミカル(化学薬品)を使わずに、白髪をヘナという植物を使って染めている。と言うと
薬剤嫌いか、皮膚が敏感な人、意識高い系みたいに捉えられるけど
最初に書いたように実はそうではありません。


自分の、実は嫌だった、ってことをやめて
好きなことを選んだら自然派にたどり着いた。


わたしの場合はこれまで何の疑いもなくケミカルのカラーリング、パーマをしていていましたから。もう約20年以上。したことのないヘアスタイルは坊主くらい。

そんな人が、ある日を堺に自然派になることもありますよ。それに、どんなに傷んでも髪はまた、生えてきますから今、髪質が良くなくても大丈夫です。

白髪を染める動機が大事

今、白髪があるひと、生えてきた方は
何で染めていますか。

何を使うにしろ、
それを自分が気に入っていること、
ストレスフリーが一番。

グレイヘアも素敵ですよね。
白くするのも、明るい色味の服が似合ってかっこいい。


わたしは、ファッションの一部としてカラーリングを楽しむのは好きなんですけど
白髪を染めるためにカラーリングをするのは
好きではないんですよね。

やろうというきっかけが、「隠す」になるから。
誤魔化すというのか、
億劫になるんですよ、この動機だと。
しかも毎月のことですよ?白髪は一生生えてくるにも関わらず、毎月憂鬱なんて嫌じゃないですか。

あー、染めなきゃ。って重たい腰を上げなきゃいけない感じ。


白髪染め、っていう響きもどうにかならないんでしょうかね。
気持ちよく、体にも髪にも害がないものって
自然とまたやりたくなります。マッサージとか、
気持ちよくケアする感覚。


わたしがケミカルを使わない理由は
▪︎傷むから。頭皮がピリピリとするのが苦痛
▪︎白髪を染める事が憂鬱だから
という極々単純な理由でしたが

○続けていくうちに髪質がよくなった
○あらゆる負荷がないものだった、
は完全なる副産物です。

環境活動をしている訳ではないのに
自分にも気持ちのいいものは地球にも優しかった。


傷むと、パサパサするのでトリートメントが必要になります。お金はもちろん
スタイリングに余計な時間がかかったりしますからね。スタイリングが苦にならないって方は
別に気にならないでしょうけど、わたしは楽がいい。

自分にとっての丁度いい塩梅にする、ってことは
案外面倒で
自分のことをちゃんと観察しないとわからないですけど、どうしたいのか。は実はわかってるんですよね。


できるだけ
お手入れを楽にしたいし
何もしなくても形になるのが理想、
白髪染めジプシーでなんか良いのない?という
わたしのような方には
ぜひ、自然派美容をオススメします。



髪は傷まなければ美しい


似合うヘアスタイルにする方法のひとつは
髪質を良くすることがあげられます。


良くする、といっても
髪は本来は美しいので、傷みがなくなること、
やりすぎを減らしていくだけで、本来の美しさを取り戻せます。

やりすぎていると不自然になるので
お手入れも難易度が上がります。
ずっとヘアオイルが欠かせないとか
スタイリング材を使わないとどうにもならないとか。


髪だけじゃなく、体も自分にとって必要なことを、適切なタイミングでケアするってなかなか難しいと思うんですよね。
色んな製品が次から次へと開発されていく中
自分に合うものを選ぶことって意思が試されるというか。

わたしのやっていることは
余計なことはせずに、髪本来の美しさを引き出すことが目的。


それが、結果的にスタイリングが楽になるなんて
まさに一石二鳥だと思っています。


ナチュラルワインから学ぶ

最後に、ワインの話を。
わたしは今、ナチュラルワイン(自然派ワイン)が好きで勉強中なんですが
自然派ワインというと10数年前に比べたら認知もされてきたので社会的ポジションがありますが、
それに比べたら自然派ヘアってまだまだだなぁと思う。

地域柄、ありがたいことに
自然派ワインがこうやって認知されるまでの土台作りをしてきた先駆者やその関係者、諸先輩が沢山いてお話を聞く機会があるのです。


自然派ワインなんて今から20年前は全く見向きもされなかったんですよ。
ずっとマイナスばかりがクローズアップされ
言われ放題だった。

オリが入ったワインなどワインじゃない、的な。
それが今ではじわじわと浸透して人気になった。


わたしも美容業界で長く生きてきたから
似たような感覚があります。
髪を染めたり、パーマをかけることが悪いことだとは全く思いませんが(わたしもずっとやってきたから)
やることが当たり前ではないし、
やめてみたら案外似合っていた、というのも
あるあるです。

美味しいワインは、葡萄の元々持つ魅力を
最大限に引き出したもの。そのためにはそれぞれに違う葡萄の特質や個性に合わせることが大事です。
自然派ワインは葡萄の本来持つ可能性を生かすために、あえて農薬や化学肥料を使わずに人為的な介入をできるだけしない、というのも面白いところ。


髪は、自分の表現の一部だけど
ヘアスタイルだけが目立つのもなんか違う。
世代もありますね。
めちゃくちゃ似合わないヘアスタイル、たくさん
やりましたから。


似合うヘアスタイルにする方法は
過剰なものはやめてみるのが近道かもしれません。
わたしの場合は自然な癖毛が出るので
ウェットな状態でスタイリング材をもみこみ、
自然乾燥しています。


自然派美容に興味がある方はぜひ
ご一緒にいかがでしょうか。


お読みくださりありがとうございます。




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