見出し画像

髪と地球に優しく、とはいうものの



わたしはいくつかの仕事をして(複業をして)いる
自然派美容師です。


自然派ってなんだか漠然としてますよね、
自分でもそう思います。笑
そもそも髪と地球にやさしいってなんだ?と。

大抵はふんわりと聞こえそうな
この抽象的な言葉、髪と地球にやさしい
をせっかくなので掘り下げたいと思います


そもそも髪にやさしい、って?


日々、どんなヘアケアをしているか?
つまり
具体的に髪を洗うのは、なにで洗って
どれくらいの頻度で洗っているのか。ということ
なんですけど


髪は頭皮から生えているので、
当たり前ですが、健康な髪は
健康な頭皮からじゃないと生えません。

髪は注目されるのに、頭皮ってつい忘れがちな
存在。実は、頭皮って大事なんですけどね。



髪のケアの話に限られたことじゃなく
自分で選んでいるようで
実は選んでない事ってあります。
特に日用品。
身近なシャンプーや洗剤なんかは良い例だと
思います。


選んでないことって
選ぶ理由なんて
特別になかったりもするんですよね。

なんとなく使ってるとか。
別に悪いことじゃありませんが
ちゃんと選ぶ、これを使う理由、みたいなものって
自分の人生の充実感、みたいなものに影響すると思うんです。

これ、最高の洗剤なんだよ!
なんて誰かが言ってたら怪しいネズミ溝みたいですよね。マージンが発生してるとか。

だけど、そのくらいの熱量がある方が
まだマシかもしれません。


シャンプーなんかは
ドラッグストアで安く手に入って
香りも嫌いじゃなければ
なんとなく毎回使ってるってことも多かったりするものだろうし
そもそも、裏面の成分表記なんか見てもカタカナで長くてわからないじゃないですか。

成分も似てるし
使っても他のシャンプーとの違いが
香りの違いくらいだから
このシャンプー、浮気する気も起きないくらい
自分には合ってて劇的に気に入ってる!!なんて
あまり聞かない。

よくわからないから、ま、いっか。というところで
選んでると思うんですね。

ドラッグストアのシャンプーは
正直、どれも違いがありません。
価格を抑えるには理由がある。
石油系界面活性剤
ノンシリコンと表記されていたところで
材料費を抑えるために他の物質が
更に添加されている。

それよりはサロン専売品とかで
美容師が勧めてくるシャンプーの方が良いのかと
いうと
マシ、というだけで、価格も高め。
同じ穴のムジナみたい。

使うのは良いと思いますが、
毎日洗う、とか頻度の方が問題かと。

髪に優しい、といえば
キューティクルが守られるとか
刺激が少ない、とか
漠然とそんなイメージだけど
髪を傷めないこと、って
実は頭皮を健康な状態にすることなので、
シャンプーでは叶わないのが現実です。


目的と機能が相反してるんですね、元々。
ここでは書きませんけど、リンスインシャンプーなんかもその良い例です。
便利とか、手間をかけない、という発想はともかく、美容業から見たら???しかないです。


シャンプーはそもそも洗うためのものであって
髪と頭皮にとって必要なケアをすることのひとつではあるけど、洗浄力は高くなくて良いものです。


髪を修復する機能はもちろんありません。
シャンプーの後につけるトリートメントは手触りをマシにするもので
髪の構造上リペア(修復)するのは不可能です。

過剰な広告をするのもどうかと思うのですが、
正しくは
一度傷んだ髪は、何をしても元には戻らないです。
一時的に戻ったように錯覚させることはできるけど。これを買い続ければね。

です。


髪って主成分がケラチンタンパク質という
タンパク質でできていて
お菓子売り場にあるチョコレートのトッ○みたいな作りをしてます。

外側のクッキー部分はキューティクルと呼ばれる部分で、ケラチンタンパク質を覆ってる。
お菓子とは違って
髪のキューティクルは水に濡れることで鎖が切れ、柔らかくなります。
実は絶妙で繊細な作りをしていて
毎回、濡れたり乾かしたりすることで
キューティクルは閉じたり開いたりを繰り返しています。


健康な髪のキューティクルは魚のウロコ状になっていて綺麗に並んでいます。それが、艶と言われるもの。洗いすぎ、乾かしすぎると開きっぱなしになります。中のチョコレートが流れ出してしまう状態。

表面のキューティクルが揃っていないことで
艶もなくなります。傷んでるように見えたり
手触りが良くないと感じるのは、キューティクルが整ってないこととケラチンタンパク質が不足しているから。


髪ってそもそもそんなに極端に汚れるものではないから強い洗浄力があるシャンプーで洗いすぎることで傷む、というのはある意味合っています。


毎日、大量の粉塵や埃まみれの中にいる、とか
毎日、煙をもくもくさせて肉を焼いてバーベキューするとか
毎日ファイバー入りのワックスをつけて髪をスタイリングする、とか
毎日かっちかちのハードスプレーで固めてる、とか
いう人ってあまりいないでしょうし
(職業柄、はいらっしゃるでしょうね)


通常髪や頭皮って元々そんなに洗う必要はないんです。


よく、湯シャンすると
ベタベタするっていうケースは
ふだんから洗いすぎているから
皮脂が必要以上に除去された結果
頭皮が皮脂で守ろうとして、皮脂を余分に分泌する身体の自然現象。


もっと言うと
余計なことをしないことが
髪や頭皮を一番傷めないことです。

やりすぎない、ってすごーーく大事です。


企業の販売戦略で
毎日シャンプーする、という概念が
わたしたちの中に植え付けられていますが
(朝シャン、なんて言葉も流行った)
実は、製品を売るために仕掛けられた
ただの流れだとしたらどうですか。


毎日洗わなくても人間の頭皮は臭くなりませんし
洗うほど、洗剤や時間の無駄遣いだとしたら?

過剰に皮脂を除去する方を気にした方がいいし
乾燥は老化を早める原因にもなることを
忘れちゃいけないです。

地球に優しい、といえば
土に還らないプラスチックや
不燃物質を極力増やさないこと、
あとは水を汚染しないこと、
資源を無駄使いしないこと、なんかも
あります。

詰替用なんか昔よりも増えましたし、
詰替で長く使うならプラスチックも良いと思いますが、毎回は必要ないと思ってます。
本来であれば、量り売りをしたい所です。


自分が使ったもの、毎日使うものの行末や影響を
考える、
そして自分が納得したものを購入する、って
自分を大切にすることだし
自然なことで
周り回って地球にも優しいことなんですよね。

自分に優しいことは
地球にも優しい

自分が選ぶ、選んでる。という
その行動が、政治家とは違う
いつでもできる社会活動の循環になります。

それを踏まえて
ドラッグストアにずらっと並んだ
洗浄力の強いシャンプーを愛用しているなら
それも選択のひとつですし
否定するつもりも権利もありません。


どこに、大切なお金を払いたいですか。
ってことなので
巡るものは生きているうちに
どこを巡らせたいのか?
ってことだと思うんですよ。


人間は、有機物でできていて死んだら自然に還るものだから元々自然の一部である、というのが
わたしの好きな考えです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?