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人の痛みが わかるか

わかるわけがないと思うのよ、人の痛みなんて。
想像して、わかったふりなら できるのかもしれないけれど。

昔 当時付き合っていた男性と手をつないでいたとき。「ねぇねぇ!」 と、もう片方の手で彼の手の甲を叩いたことがある。叩いたっていうか、効果音を付けるなら 『ぺちぺち』 くらいのものです。
そしたら、その彼がマジギレした。「痛い!」 って。私がきょとんとしていると、彼が 『バチーーーーーン!!』 と私の手の甲を叩いた。
ぺちぺち が バチーーーーーン!!とは、大出世である。「痛いだろ!」
しかし痛くなかった。私には、彼の痛みが わからなかった。

別の彼の話。
私はニキビをつぶすのが好きだ。彼の顔面をチェックして、角栓(?)などを見つけると、出したくなる。聞くと 「出していいよ」 と言うので、ぎゅぎゅ~っと力を入れて出す。プリンッと出ると気持ちがいい。
最初は遠慮がちにやっていたけれど、彼は痛覚が鈍いらしく どれだけ力を入れても 「痛くない」 と言う。ところが。
鼻の頭だけは めちゃめちゃ痛いらしく、触らせてくれない。いやいや、ほっぺをあれだけ つねっても なんともないのに、鼻はダメなの?
「やさしくするから」 と言って 軽く押したら、「いてぇ!!!!!!」 と めっちゃ怒られた。軽く押しただけなのに??
またしても 私には 彼の痛みが わからなかった。

私は、たいがいの痛みは 好きの部類に入る。そんな私が 自信をもって苦手だと言えるのは ”鼻毛を抜く” 痛みである。あの痛みだけは どうにも好きになれない。
ところが、先述の 鼻の頭が弱点の彼は 全然痛くないのだという。ぶっちぶち抜く。見てるこっちが痛い。
痛覚に これほど個人差があるとは 知らなかった。
うっかり弱点を攻撃してしまわないように、気を付けていきたい。

無印の はちみつねり梅を買い占めたいです。