見出し画像

来るんじゃねえ (日記その116

 非常に不愉快だ。弟が友達をたくさん連れてきて僕の隣の部屋でお泊まり会をしているから。繭野は縄張り意識が強いため、知らない奴らが家に侵入してきて夜だろうとお構いないし騒がれるのが本当に嫌。これがたまになら僕だって多めに見ますけども、お前ら3日に1回くらいの頻度で夜に来て騒ぐ。周防サンゴさんの読み聞かせを聴きながら寝るのが楽しみなのに、お前らのせいで耳栓して寝なきゃいけなくなっている。あの玉のような声を返して欲しい。お前らのオホ声よりも下品な笑い声がだ、貫通してくるんだよ、イヤホンを。


 実際のところ、僕が嫌がるのも弟が友達を連れて来たいのも身勝手なので、どうしたらいいのかわからない。常識を持ち出して説教することは可能だけど、僕のような非常識な人間が困った時にだけ常識を都合よく持ち出すのもどうかと思う。自分の感性が大勢の価値観に沿っているという権力的優越感・安心感を背景にして他者に一方的に要求をするのは、一歩間違えば強制や暴力や差別になり得るリスキーな行為だと僕は認識しているので、軽率に行動できない。仮にしばらく連れてくるのはやめて欲しいと伝えても「うーい」とその場凌ぎの返事をされるだけで終わるだろうけど。


 だからといって、僕が泣き寝入りしなければいけないとは思わない。もう実力行使に出るしかないのか。池田大作の顔が描かれた大きな旗を家の屋根に突き立てて、弟の友達に玄関で「今、幸せですか?」と声をかけ、帰る時には「この近くに仏様を祀ってる会館があるから、行きませんか?」と提案するしかないのか。お泊まり会に女子もいるみたいだから乱交パーティーの様子を盗撮して学校に提出するしかないのか。「おまえら聞けぇ、聞け!静かにせい!静聴せい!話を聞け!男一匹が、命を懸けて諸君に訴えてるんだぞ。いいか。いいか。それがだ、今繭野がだ、ぐっすりと安心して眠ることができなければ、日本の文壇は斜陽と言っても過言じゃないんだよ。諸君は永久にだねぇ、芸術を破壊した蛮族になってしまうんだぞ!」と高らかに演説するしかないのか。人間にできる事といえばとどのつまり、思想や価値観の押し付け合いで、自分の有するそれにそぐわない人間を排除することしかできないのか。刑事さん、今のうちにワッパかけてくださいよ。


 なんかこれ書いてたらスッキリしてきて「まあいいか」という気になってきた。これを機に騒音耐性を高めれば外界で生きやすくなるだろうし、ちょうどいいぜ。高評価・チャンネル登録、よろしくお願いします。早く帰れクソガキ。お前らと同い年の僕の相互はベーコンエピを作っているんだぞ。それがお前らは何だ。ベーコンエピのエピの字もないじゃないか。気持ち悪い飲みサーのコールばかりしやがって。お前らのようなバカがバカらしく暮らしている間に...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?