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白崎選手鹿島へ完全移籍

 遅ればせながら、移籍関連メッセージを。白崎凌兵選手が鹿島へ完全移籍しました。年末に体調不良となりましたので、どこへも出かけられず、SNSでサポーターのみなさんの反応は見ていました。

それぞれに考えがあります。好きと嫌いは諸刃の剣。大きな反応があったということは、それだけ大きな存在感だったと思います。

10番をつけたばかりのとき、とても白崎選手は気負って見えました。その重みは痛いほど実感していたと思いますし、求められることが違うことも理解していたと思います。ただ、背負い方に関しては、チームを思う代償として自分のストロングを抑制しているようにも見えたので、何度かこの件に関しては質問したことがありました。

ここから書くことはあくまで私の個人的な感想です。

昨シーズン、つまり2018のクラブは、チームのために自分たちのストロングをしっかり出して勝負できていて、誰も犠牲になっていないように見えました。でも、10番のことは気にならなくなったといった白崎選手の言葉は少しひっかかりました。

葛藤がありながらも、彼なりに、必要とされる「ボランチ」で進化していました。OB選手に何度か意見を聞いたことがあります。白崎選手は将来的にどのポジションなのでしょうか?と。帰ってくるのは、今の状況ならボランチという返答でした。

鹿島さんは小笠原選手の電撃引退(実際は根回ししていたと思いますが、世間的には衝撃を与える発表でした)があり、本田選手を獲得したり、ここ何年も後継者問題に悩んでいたと思いますが、最終的には強制的に世代交代するという状況になりました。ただ、白崎選手の希望は前目です。もちろん、鹿島さんがどういうプランで何を想定していたかは、開幕してみないとわかりませんが、2つのポジションを平均以上でこなせる白崎選手が欲しかったのは容易に想像がつきますし、現実として鹿島がエスパルスより上位にいる以上、ここからのオファーはプロとして光栄であったことは疑いようもなく、彼が移籍するという決断は、犬飼選手と同様かそれ以上に理解できます。

10番なのに…

という方々の気持ちはすごくわかります。私も取材の半分ちかくはいまだに澤登さんがつけていた10番の長さ、存在感が尾を引いている状態。偉大な10番がつけていた番号の意味と歴史を考えると、つける人については、まいかい澤登さんに聞きますし、アドバイスを澤登さんが気にかけてしているのも見てきています。

ただ、澤登さんの時代に取材していたからこそわかるものがある。サポーターやクラブ関係者は10番に思い入れがある。澤登さんのイメージがついているから。でも、10番をつけたからといって、すぐに澤登さんのような存在になれるわけではありません。その重圧に負けたり、背負いきれない選手だっているし、つけることの意味を本当の意味で受け取れない選手だっていたと思います。ほぼすべての10番やキャプテンについて澤登さんに聞いてきました。「まだまだだね」とつぶやかれたこともあります。

でも1年したらぐっとその背負うものの大きさのおかげで男前になることも知っていました。白崎選手はとっても人たらしで、群れている選手たちは群れているから自分がいなくては大丈夫と、ぽつんとしている選手に声をかけて食事にいったり、面倒をみてくれていました。そういうことが自然とできる選手でした。だから孤立して見える選手があまり目立たなかったのは彼のおかげでも大きいんじゃないかなと思います。

ただ、私は1つびっくりしたことがありました。ここ何年もキャプテンをすると、チームを思うあまり、遠慮や自分を後回しにするなど、様々な苦労などをキャプテンから聞いたりもしましたが、長年取材してきて、初めての経験でしたが、「今シーズンキャプテンになって、今まで自分が触れて学んできて感じた思うことをすべて言葉に遠慮なく言えた!」と竹内涼選手が言いました。すごいなと思いました。プロとして遠慮なく100パーセント出し切ってなおかつチームを引っ張るキャプテンは久々です。

話はそれましたが、様々なことを総合すると、もう一度自分を試すチャンスなんだと思ったんじゃないかなと思いました。まっさらで何ができるのか?エスパルスにいたら、なんらかの形で試合に絡んでいたと思います。ただ役割も求められるものも変わるなかで勝負することのすばらしさは、先に移籍した犬飼選手が示しています。

プロですから自分で自分の扉を開かなければなりません。本当は他の仕事も同じだと思いますが、プロの方がより一層シビアで明確にその現実と向き合わなければなりません。

最後はめっちゃ失礼なことを言います。白崎選手はもし前目で勝負するのであれば、もっとわがままに、人のことを見過ぎず、時にはエゴイストになってプレーしていいと思う。少なくともボールもって前向いてディフェンスが1人ぐらいなんだったら勝負していいと思う。その力があると思う。

可能性を瞬時に判断するのは難しい。あきらかにどフリーならパスしてほしいけれど、つぶれすぎだし、譲りすぎだと思う。それだけ白崎選手が気持ちの優しいナイスガイって証拠なんですけど、長年プロサッカー選手を見ていてブレイクする前目の選手は、そこの勝負から逃げない人。できるのにもったいないなって思ってしまう。難しい局面打開してゴールしてくれるのが救世主なんだって、ドウグラスを見てきたエスパルスサポーターのみなさんなら言わんとしていることを理解してくれるんじゃないかと期待しています。

さみしいけれど、ユニフォームの色は変わっちゃうけど、怪我なく大活躍してくれることをお祈りします。そして移籍が最後の壁を壊すきっかけになることを願っています。白崎選手には常に飾らない言葉で助けてもらいました。特に松原選手の巻頭特集でのコメント。あれはすごく松原選手へもサポーターのみなさんへもよくよく関係性が見えて最高の対応でした。本当にありがとう。清水から羽ばたいて一層輝いてください。じゃないと許さない。笑


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