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機能性食品表示届出に関するシンポジウム

木曜日に農水省で開催されたシンポジウム。

薬事法の改正もあり、機能性食品表示基準とルールが改正されたものの、その実用例として生鮮の事例が少なく、今回はそちらに絞った事例紹介メインのシンポジウムでした。

兵庫の黒大豆、岩手の寒じめほうれんそう、佐賀・福岡のキクイモ、美作市のキラリモチ(もち麦)、紀伊のじゃばら5つ。各団体の事例を実際に団体の代表が紹介。うち2件が今回のシンポジウムを運営している野村総業研究所のサポート案件でした。この中にはPRや情報提供しかしておらず、なおかつ申請は申請支援のみで、現実的に申請できていない団体も1件含まれます。

まとめ

★申請が煩雑で資料も膨大で経験がない団体は四苦八苦。再提出させられて泣きそう。★申請に関し専任者を置くよう言われたが、全員他の仕事もしながらだったり様々なグループ構成のため専任者を置くのが難しい★需要が高まっても生産者側の理解が得られず、供給体制が脆弱になってしまっているケースがある。★決定的に商品を売るという観点が抜けているため、課題として生産者のみなさんの理解が得られない等の声があがっていた。売れなければ作らないし、作っても売れなければ負債になる。★市役所が農水省の補助金を使い、JA、生産者、役所、専門家でプロジェクトを立ち上げ役所が申請したのが一番すんなりやっていた。

 いくつか疑問に思ったのは登壇した団体のうち1つが、申請に関する情報提供、PRをしたという団体が登壇し、全国放送等での取材実績を多数と発表して。生産拡大消費拡大に貢献できたとおっしゃっていました。しかし本来の補助金目的である機能性食品表示届出はしておらず、なぜこの団体を登壇させたんだろう?と思いました。なので終わりにご挨拶をして聞いたら、大学主導であること、大学にとっても、生製品を売るにもメディアプロモーションが最も重要で、売れるという目的は機能性表示を申請しなくても果たせているとのことでした。ひとつの選択ではあると思いますが、今後も目的外での補助金でも採択されるのかな?と少し疑問は残りました。

そのほかにも、機能性は食べる理由、選ぶ理由になるわけなのに、イヌリンはキクイモじゃなきゃ摂取できないというわけではなく、理由が乏しいのが課題とおっしゃっていました。主語が違いそもそもキクイモを売るのに、イヌリンが多数含まれるから食べてください!というきっかけでの機能性食品表示届出ではないのか?と不思議に思いました。

届けは出したもののこれをどうやって売る?がみなさん課題でした。

そしてサラダコスモの中田さんを交えて、パネルディスカッション。これはリアルガチな現場の質問も飛んで、なかなか運営側のシンクタンクにはかなりピリピリする内容だったと思います。農水省のプロジェクトについて批判に近いものもありました。農水省では6次化もこのプロジェクトも、消費者庁の役所特有の解釈も含め、現場での声をしっかりと聞く必要があるからこの構成だったのかな?と信じたいと思いますが、いろいろと八丁味噌の件でももやっとすることが多く、機能性表示に関しても、生鮮には様々な成分が含まれ、その1つが確実に機能すること。他の複合的影響ではないことを証明するよう求められるなどやや無茶な要求も発生している模様ですので、国を支えるえらい人であればこそ、現場の声を真摯に聞いてほしいというのが登壇者のみなさんの本音かなと思いました。






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