トータルコンディショニングとわたし

呼吸・整体のワークのひとつに「トータルコンディショニング」というのがある。

トータルコンディショニングとは?

昨年の7月から毎月5日間、早朝6時から7時にトータルコンディショニングウィークがあり、参加している。
■トータルコンディショニングウィークについては以下のHPをごらんください。
https://tcweek.com/
4月は来週19日(月)~23日(金)です。

トータルコンディショニングをやり始めた頃の私の感想がこれ↓

全9回のうち、7回しか出られなかったんだけど、相当相当キツかったです。 5日間連続で朝6時からこのワークを1時間やるというのをやったあとだから、まあいけるかも?と思ったのは甘かった。 やってる途中で、なぜわたしはこのような苦行をしているの...

Posted by 稲葉 麻由美 on Sunday, July 26, 2020

トータルコンディショニングは、

①自分に意識を向け座る時間
②腸腰筋に刺激が入るように動く時間
③固まっている背中に働きかけながら動く時間

から成り、①と②、③を交互に繰り返すワークできっかり1時間やる。

わたしが始めたころの体験

わたしが一番初めにトータルコンディショニング(以下、TC)をやったのは、2020年5月で、ほんとうに衝撃的だった。
それまで約3年、呼吸DOJOで少なからず調整法(体操みたいな型の動きで呼吸をする身体を調整するもの)をやってきたのに、まったく歯が立たなかった。
②の動きで、片膝立ちするポーズがあるのだが、一緒にやっている人たちが楽々とやっているように見える中(実際は楽々やってはいなかったらしい)、私はぐらぐらしてまったくポーズが維持できなかった。
ちなみにその時、コーチはその姿勢のまま、インストラクションしていて息がまったくあがっていなかった。びっくりした。

え?これはみんな普通にできるものなの?

というのがその時の私の衝撃である。
そのあとは、動くたびに滝の汗が噴出してきて、息もぜいぜいしていた。
(ちなみにその時もコーチは「これはきついですよ」と一緒にやりながら、平然とした顔で普通にしゃべっていた。同じ人間じゃないのかもしれないと思った)
タオルがびっしょりするくらい汗かいた。Tシャツも絞れたと思う。そんなに汗かいたけど、その時は「できなかった」のだ。
インストラクションで言われたとおりには、身体がうまく動かなかった。
いちいちぐらついて手をついたし、「身体をまっすぐ前に出す」動きが、まっすぐでなかった。その日の私にとって「刺激がきつい」というレベルではなくて、足が笑ってしまってがくがくした。
人間の足はこんなに震えていいのか!?と思うほどだった。
まったく大げさじゃなくて本当に。
1回目は、なにがなんだかわからないうちに終わったという感じだ。
次の日、階段の昇り降りがつらかったことをうっすら覚えている。(←これは、私がきつい刺激に息を止めて、ぎゅっと固めて対応したから変な筋肉痛になったもの。TCは実際に言われた通りに動いて、息を止めたりしなければ筋肉痛にはならない。)

きついことはひとりではなく、一緒にやる

そんなにきつくてつらかったのに、どうしてやろうと思ったのか?
自分でも若干、謎である。
それでも、これは今、わたしに必要なことだと思った。
呼吸の中心をつくる、という動き。
ずっとグラグラしている自分に飽き飽きしていたから。
20代の頃から、ジムに行くと「下半身ががたがた」と言われていた。
下腹部に力が入らない。(自力で下腹がへこまない。産後ひどくなったけど、産前からそうだった)
産後は尿漏れもあったし、腰痛がずっとあるのも下半身をやらないとだめだろうなあと薄々思っていた。

でも、こんなにきつくてつらいので、ひとりじゃできない。自ら進んで好んでやる、とかない。
と思っていたら、TCウィークが始まったのだ。嬉しい。
しかも1回分の値段で一週間フリー参加できる!というありがたさ!!!

TCをやって起きた変化

刺激がつよくても、息を止めないでやる。
姿勢が維持できなくて、ぐらついてしまったら、そこはぐらつかないところでやる。
最初は無理しないで、できるところから始めた。
ほかの人と比べてもしかたない。
ほかの人に代わってやってもらうことはできない。
自分の刺激は自分で感じることしかできないから。

TCウィークは、6時から開始するには、5時30分には起きて準備する。
普段は6時過ぎに起きているのでいつもより早起きをちょっとだけ頑張る。
起きて間に合ったら、「できた」という小さい喜びもある。

そうやって、少しずつ積み重ねてくると、だんだん変化が起きる。
・②のポーズで、片膝立ちができるようになった。
・息が上がらなくなった。
・息を止めずに動作ができるようになった。
・きつい刺激があっても、いつもと同じ呼吸をしていることで、その刺激に振り回されないようになった。
・目が開いた

TCをやった後は、いつもよりずっとすっきりしているので、朝食の準備もはかどるし、朝の家事もいつもより2つくらい多くできる。
仕事を始める前に、ゆったりとした時間が持てる。
子どもを「早く、早く」とせかさないでいられる。
そんな変化もあった。

身体のことをやっていたら心の中も変化する

そして、やっているときに気づいた大きなものは、
自分がいかに自分で決めることをしていなかったこと。
誰かに決めてもらいたがっていたこと。
決めてもらってやったことに、ブーブー文句を言っていたこと。
つらいことを通り過ぎるまでやり切るのではなく、いかに回避していたかということだった。

自分で決めて参加しているのに、「なんでこんなつらいことやらせるの?!」と謎の怒りが講師に湧いたり(完全に八つ当たり)、つらくてきついと息を止めたり、もう早くやめたいと勝手に終わりにしたがったりした。
息を止めるともっときつい。そして、きついと何かに寄りかかりたくなる。
息をしていたら、自力で立てるのに。

息を止めてきつくなると、「わたしはこんなにきついんです」「もう私には無理なんです」と訴えたり、言い訳したりしたくなるのだ。不思議なことに。(オンラインで、50人近い人たちと一緒にやっているから、もちろん言わないがそういう気持ちが湧いてくる)
きつい刺激はあっても、ああきついなー、みんなこれはきついんだよなー、とただ息をしておく。
そうすると受け流せるようになってくる。
言い訳やどんなにつらいか訴えたりする必要もなく、したくもならない。
心の中もそんな風に変化していった。

継続すると見えてくるもの

今月で10回目のTCウィークである。(ちなみにまだ毎月参加を更新中)
2ヶ月くらい前から、土曜日に呼吸・整体考案者の森田敦史先生の特別授業がつくようになった。10回以上参加している人に、もう一段上のスキルを教えてもらえる講座だ。
これに参加したら、猛烈にきつかった。ちょっとしたポイントが加わっただけ。ぜんぜん難しくはない。
動きとしてはまったく難しくないのだが、なんかこんなにちょっとで、こんなに違うの?!とまたまた衝撃を受ける。
もうだいぶ慣れて、けっこういける!と思っていたら、まだまだ全然だった。刺激が強くなると、息をとめて踏ん張りたくなる自分もまだまだ顔を出す。繰り返し繰り返しやっていくだけ。

それに、同じポーズを同じ60分やるのでも、毎回毎回、違うのだ。
自分と対話しながら、毎回トライアルする感じ。

まだまだ未知の領域がある。
可能性がたくさんあるのだ、と思う。

TCとわたし

10か月続けていても、全然慣れない。
特にすごく好きになった、とかもないし、できればやりたくない気持ちにすぐなる。
それでも、あの強い刺激を自分の身体で受け流して、その後に静かな時間を過ごせるようになって、外からの刺激を受け流せるようになっている。

以前は、ちょっとした他人の一言にくよくよして、悩んで、ぐるぐるしてしまうことがよくあった。
悩んでも仕方がないとわかっていても、ぐるぐるしていた。
TCをやるようになって、あのきつさを逃げないでやり過ごせる自分を発見したら、たいていのことは受け流せるようになってきた。
(一晩くらいはくよくよするが、翌朝にはもう持ち越さないくらいにはなった。以前は、1週間も1ヶ月もくよくよしていたのだ。なんなら何年もくよくよしていた事案もあった。)

1ヶ月に1回、5日間のTCウィークに参加するだけで、ほかの日はそんなに熱心にTCをやったりしていないが、その5日間があるだけで、リセットされる。生活習慣もそうだし、気持ちや頭の切り替えもできる。
そして、少しずつでもできるようになっている自分を発見して、やってきたことに自信が持てるようになる。
それができる自分を信じる、ということも自然と起きた。

それに、わからなくなったり、ここはこれでいいのだろうか?と思ったら、相談できる仲間もたくさんできた。
定期的に継続して関わってくれる人たちがいるコミュニティがある、というのは安心感につながる。
あと、きつい、つらい、ばっかり書いてる気がするけど、講師のインストラクションは非常に明快でわかりやすく、難しい動きはないし、本当に親切です。わたしのようにグラグラしたり、足が笑っちゃうことはあるかもしれないが、それも最初だけですぐに慣れる。
やればやっただけできるようになるし、動きだけなら、うちの小学生の子どもでも真似してやることができる。(むしろ子どもは楽々やります・・・)
そのくらいに簡素に絞った動きで、これだけの変化が生まれるのは本当にすごいと思っている。

それと、とても大事なことがもう一つ。
TCの動きの①だ。きつくてつらい刺激を受けた後に、静かに座って自分に意識を向ける。このときの自分のうちなる静寂さは、独特のものがある。
呼吸をしながら、その静けさにただ意識を向ける。自分の全体を観察する目が開かれていく。
とても静かなのに、とてもクリアだ。
この時間はとても好きだ。このためにTCをやっているかもしれない。
この静けさのまま、日常に入る。

いつまで続くかわからないけれども、森田先生によるとTCの刺激は一生入れ続けたい刺激らしいので、当面ずっと続けていこうと思っている。

来週からのTCウィークも、丁寧に自分に取り組む予定。
楽しみです。





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