松本明子著「実家じまい終わらせました!」/核家族化の落とし物
松本明子さんのお父様は、彼女の幼少時に念願のマイホームを香川に建てた。宮大工に依頼して作った和風平屋建ての立派なおうち。父親が人生を懸けて建てた人生最大の買い物だった。
しかしそれが、彼女の人生最大の悩みの種に…。維持費の総額は1800万円。
売却を考え最初に査定した額は200万円。がーん…。
しかし、芸能界で立ち行かなくなった時や、災害時にすぐ住めるようにとリフォームをした事が幸いして、600万円で売却する事ができたけれど…(にしても安!)
戦後まもなく家督制度が廃止され急速に核家族化が進んだ事に伴い、家やお墓を代々継承していくのは現実的に難しい時代になりましたよね。
つまりこれは、現代に生きるほぼ全ての人に共通する悩みの種な訳です。
この本は、前半は松本明子さんの実体験。後半は、NPO法人 空家・空地管理センター代表の方、遺品整理業を営む方、行政書士の方
以上御三方への、松本さんによるインタビュー形式をとった、実家じまいに関するレクチャー的な内容になっています。
松本さんは、香川の立派なお自宅で育ちやがて芸能界に入り上京、その後ご両親を東京に呼び寄せ一緒に暮らしご両親は東京で他界。
お父様の「あの家を頼む」という遺言に縛られ、25年もの間東京と香川を何十往復して維持管理して来たものの、この先自分の子供がこの土地に来る事はないだろうと判断し、家じまい、墓じまいをされました。
当時まだ遺品整理業の存在を知らなかった松本さんは、全て自力で大量の家財を処分したそうです。想像を絶する困難極まる作業だったようです。
実家の売却、墓じまいにまつわる注意点、お金の流れ、などなど、
松本さんの鋭い質問によりかなり参考になる内容でした。
うちは、夫は三男なので実家のお墓に入る予定はありません。
だから、私たちが最初にお墓の住人になる訳です。
息子たちには、この夏長男が帰省した時に、私に関しては、何も希望はないので合同墓でも何でも良い事。全て任せるから好きなようにしてねとお願いしました。(夫はお墓に入りたいみたいですが。)
そして、私の亡き母のお墓ですが、同居していた妹が丁寧に葬ってくれたお墓が郊外の市民墓地にあるのだけれど、これが、車がないと行けない大変辺鄙なところ。私達は、納骨後に、思いがけず街のマンションに引っ越しして車を手放したため、お墓に行くのが大変困難となってしまいました。
実は、母のお墓を検討している時に、子供たちに迷惑をかけないようにと、自分達が生きてる間に同じ墓園内に土地だけ買っておく という案が急浮上したのでしたが、
よくよく考えて、やめたのでした。
あの時の判断は間違ってなかった、契約しなくて本当に良かったと今は思っています。
お墓をどうするかは、息子たちに任せたいと思っています。
戦前の、大家族の時代〜昭和中期に一斉に多くの家庭が核家族化したことが、今このような形で問題化しているのだと思います。
お墓って、誰のためにあるんだろう…。どうするのが良いのか…
答えはそれぞれ探していくしかないですね。
今後おそらくは、供養のあり方もさらに多様化していく事でしょう。
ご興味ある方にはオススメの1冊です。
それではまた。
最後までお読み頂き
ありがとうございました❤︎