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ささやかなしあわせの大切さ

私のパートも早いものであと数ヶ月で2年目を迎える。
そんな私の職場に立春が過ぎる頃、本店から研修を終えた新人さんがやって来た。

彼女は職場の中で1番若い。
保育園に子供を預けてから出勤する現役ママさんだ。

席は私の隣に決まった。

部署が違うので直接のやり取りはあまり無いが、彼女の仕事はこの間まで私がやっていたことだったし、年は離れてても子育てあるあるの話題は事欠かない。

そんな話しをしているうちに最近は少しずつお互いの距離が縮まって来た。


今日はそんな彼女とのお話…。


あるお昼休みのこと。
彼女は自分の机に置いていた蓋付きの箱からティーパックを取り出すと、カップにお湯を注いでほっこりしていた。
その箱は完全に彼女の私物。
普段は何が入っているか見る機会もない。

だけど書類の横にこんな楽しげなものが詰まってる箱があるなんて想像もしていなかった私は、思わず彼女に話しかけた。

「わぁ。その箱にはお茶セットが入ってるのねー素敵ー!」
もしもこの状況を漫画で描くなら私の目は絶対ハートにして欲しい。
それくらい私のテンションは上がっていた。

彼女はにっこり笑うとわざわざ蓋を開けて中まで見せてくれた。
そこには色んな種類のティーパックとインスタントのコーヒーが数袋、そして自分専用のマグカップが入っていた。

職場にはドリップコーヒーが用意され社員は誰でも自由に飲める。
しかし彼女は自分が飲みたいものを持参して専用の箱に保存していた。
私にはそれがとても新鮮で、すっかり魅了されてしまった。

次に私は尋ねた。
「ちなみに箱ってどこで買ったの?」

彼女はその箱を両手でくるくる回しながら私に見せてくれると
「百均です〜」
と教えてくれた。

「へぇー百均かぁ。良いなぁ。私も真似してもいい?」
そう再び尋ねると

「いいですよ!」
と言うと自分が買った店の名前を教えてくれた。


この日から私は似たような蓋付きの箱を探し始めた。


ある休日の午後。
私は量販店の雑貨コーナーにいた。


隣を歩く夫に
「蓋付きの可愛い箱って無いかなぁ?」
「職場の机に自分用のお茶とか入れて置きたいんだよね〜」

私がそう話し終わるか終わらないくらいのタイミングで夫が
「え?こんなんとかかぁ〜?」
と、目の前にある商品を指差した。


そこにあったのは蓋付きのスチール缶。

サイズ感。
角が少しまぁるくなったフォルム。
クリーム色がかもし出す優しい雰囲気。
何よりスチールは湿気に強い。
全てが私好みのオンパレード。

ビンゴの箱。
見ぃ〜つけたっ!


私の目はまたまたハートになった。


購入決定!



自宅へ持ち帰ると、数日前に買ったばかりの薔薇のシールをここに貼ろう!とひらめいた。


職場でこの缶を置く場所はもう決まっている。
普段ティッシュペーパーがある、その下に置くつもりだ。

なら蓋の部分にはシールはいらない。
私に見えるよう、手前の側面部分だけに貼ることにしよう。
何種類ものシールからクリーム色に合う1枚を厳選する。
(ヘッダーの写真がそれです)

薔薇のシールがたった1枚貼られただけで、平凡なスチール缶が一気に私の世界観に変化した。

その日から私はこの缶に何を入れようか?
と開けたり閉めたりしてはニヤニヤしていた。


さて、もうそろそろ中に入れるものが決まって来た。

今のところココアと何種類かのハーブティー、そしてフリーズドライの味噌汁がその候補だ。

彼女のようにマグカップまでは入らなかったけど、今後は飴とチョコ類も買い足そうかな?
と、これまたワクワクしている最中だ。


それにしても隣に座る彼女って
「自分の好きを知ってる人」
「自分をことを大切に出来る人」
だと
つくづく思う

そしてそんな彼女から
ささやかなしあわせの大切さを教えて貰えた気がした。


薔薇のシールを貼った缶は、きっと机の上を心地よい空間にしてくれるに違いない。
その心地よさが仕事へ良い影響を及ぼすかも?
なーんて妄想している。

さぁ私はこれからどんな風にバージョンアップして行くんだろう?

スチール缶の職場デビューは月曜日に決めた。
楽しみな週明けに…
いや
楽しみな春になりそうだ。



読んでくれてありがとう。
出会えたご縁に感謝します。

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