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週末お遍路さん(3):10番札所・切幡寺さんで悶える女たち

帰京日でもあるお遍路さん2日目。あっという間に第1回も最終日。

「早出、早戻り」が基本のお遍路さん。夕ご飯後の作戦会議により、本日のお寺は10番・切幡寺で打ち止めにすることに。
本当は11番札所まで行けるかな?と思っていたけど、次回前乗りした日に11番・藤井寺、翌日は早朝からお遍路さんが転がるくらい大変という「へんろ転がし」と言われる山越えをして(私が「登ってみたい!」と主張した)、12番・焼山寺に朝から挑むのがよかろう、という結論になったのでした。

そして来年中に結願したい私たち、「焼山寺の下りはバスを使って次のお寺に行くのがいいかも」と話をしながら検索していて、発見した事実。

焼山寺の入り口まで来てくれるバス、もう運行してない!!

いやびっくり。

タクシーに迎えに来てもらう?でもどこまで来てくれるんだろう?
まぁとりあえずここは次回だから追って考えよう。10番までのお寺で聞いてみよう、ということで、納経所で納経にプラスして情報収集というミッションも追加。

本日もすれ違うタクシーの運転手さんが会釈してくれたり、お彼岸を前にお墓参りをされているご家族と挨拶をしたり、無人販売所で売っていためちゃ安カボスを買ってみたり。

少年少女たちの看板にも癒されております。

納経所の方に
「区切りなら一筆書きになるように、次回のことまで考えて最後のお寺をどこにするかを決めたほうがいいですよ」
「もう少し行けるからって無理して距離を伸ばすのではなく、時間が余ったら観光するとかもありですからね」
などなど有益情報を教えていただきながら、着実にひとつずつ納経をこなしていく。
ちなみに2日目も、お寺に到着して鐘付くの忘れがち。
ピンポンしないで「おじゃまします」しております。

歩いてたら急に立派な鳥居。めっちゃ雰囲気ある!

少しずつお参り作法に慣れてきたとはいえ、記憶に刻めるほどお寺を堪能できる余裕なんてまったくなし。
そういえば母親も、「全部行ってるのに覚えてないのよね。だってもうお寺に到着するとホッとして気が抜けるんだもの」と言っていた。
私も実際にお遍路さんやってみて超同意。めっちゃ分かるわ。

山門からさらに階段。あるある。

ただ、どのお寺も全然雰囲気が違くてびっくりしたし、毎回感動しました。広さはもちろん、山門や本堂をはじめ、空気感も全然違うから、まったく飽きることがない。
そして鐘だけじゃなくて写真撮ることも忘れがち。

お寺間の移動も、先人たちが貼ってくれている「お遍路さん道しるべシール」を探しながら、何もない広大な畑の間を歩いたり。
「昔の人はもっと大変だったんだろうね」
「お遍路シールも貼ってないし」
「スマホとかないからねぇ」
「わらじとかでしょ?」
「そりゃ命がけよ」
なんて話をしつつも、お遍路さん先輩たちの恩恵をありがたく受けながら歩いていました。

歩き遍路さんみなさん言ってるけど、お遍路シールの安心感、マジですごい!
5cm四方の小ささだけど、見つけるとめちゃ安心する!なんて頼りになる小さな巨人!
先人たちに感謝ですわ。

徒歩移動という非日常を実感しながら歩きつつ、今回最後のお寺、10番札所の切幡寺さんの近くまで無事に到着。切幡寺さんに行くまでの坂道には表装具のお店などが並んでいて、参道っぽさもある。
ウィンドウ越しにお店を見ていると、1枚の張り紙が目に入りました。

「この先333段の階段です。荷物預かります」

なんと!!
そんな優しいことしてくれるの!?

すかさず「見てください!この張り紙!!」とふたりに声をかけると、ちょうどお店の方が奥から出てきてくださった。

「この先大変ですよ。荷物置いていってください」とおっしゃっていただき、ありがたく重い荷物は置かせていただくことに。

いやもう、荷物が(ほぼ)ないってマジで天国!
ありがとう!表装屋さんのお姉さん!!

最後は女やくよけ坂も。厄除けられるといいなー。

333段の階段は、途中途中にある踊り場で休みながら無事に上りきり、第1回週末お遍路さん最後となる納経もいただくことができました。
どうなるかな~と思っていたけど、大きなケガもなかったし、3人で仲たがいすることもなかったし、無事に終わってよかった!

切幡寺さんは、修行中に服がボロボロになってしまったお大師さまが、機織りをしていた娘に「少し布分けて」とお願いしたところ、織ったばかりの布を惜しげもなくお大師さまにくれた、と。で、布の代わりに両親のために千手観音さまを彫ってください、とお願いされ、お大師さまが千手観音像を彫って娘を得度させたら、たちまちその娘さんが千手観音さまになった、という、布にまつわるいわれのあるお寺。
なので、大師堂の奥に、はたきり観音さまがいらっしゃいます。
はたきり観音さま、めっちゃ美人だった!!超美しい!

そして今は弘法大師生誕1250年記念で、各お寺で正方形のカードももらえるのですが、切幡寺jさんのカード、めっちゃかわいです。超ラブリー。
全員でもらった瞬間「かわい~~~!」って言っちゃうくらいラブリー。
ちなみに、納経所のおばあちゃんもかわいかった!

きゃわ!
裏には所以も書いてあります。

無事に初回のミッションをフルコンプリートして、この後は11番藤井寺の途中にある阿波川島駅から徳島駅に戻り、徳島ラーメンを食べて、お風呂入って帰京するのみ!

途中、ちょっと雨に降られたけど、四国といえば!の沈下橋を渡ったり、楽しい帰路でした。

四国と言えば沈下橋!渡れるなんてうれしい!

第2回はまた翌月。
「12番焼山寺の遍路ころがしを歩きたい」という私のわがままを叶えてもらえそうですが、どうなることやら。そろそろ公共交通機関を使わないと、来年中の結願が難しいエリアに突入する頃合いかも。

そして、タウンユースのグレゴリー(30リットル)はお遍路さんには向いてないことを痛感しました(荷物は入るんだけど、やっぱ心もとないウエストベルトじゃダメだ。そしてめっちゃ背中汗かく!)。

ちなみに切幡寺さん、本堂から更に100段の階段を上ったところにとっても立派な大塔があって、そこからの眺めも絶景とのこと。
よし、行こう!と頑張ったら、この暑さで草木さんが私たちの背丈レベルで育っていて、若干視界をさえぎっていました。
最後が締まらないのも私たちらしい。

ちょっと足場を見つけて頑張って撮った。絶景なり絶景なり。

明治初年に移築された重要文化財、切幡寺大塔は本当に素晴らしかったです。頑張ってさらに階段上る価値あり!

私の写真じゃ伝えきれない、素晴らしさ。


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