もしも願いが叶うなら、あの日のままの君に会いたい

あれから何年経ったのだろう。
今じゃもう、私のとなりに君はいない。
手を繋いで歩いたこの道をときどき通るたびに、あの日のままの君を探してしまう。
街はすっかり姿を変え、君は大人になってしまったけど、この道を通ると、今でもあの日の君が走ってくるよ。私を見つけて、満面の笑顔で駆けてくる。

時は流れてゆくばかりで、遡ることはできない。ただ記憶の中に今も残るあの日の残像だけが、たよりなく過去の存在を主張するけれど、それは時の流れとともに、薄れてゆくばかりだ。
いつかこの命に終わりが来て、私自身も消え去る時が来る。
でも、人類の進歩は著しい。私が消えてなくなる前に、あるいはあの日の君に、もう一度、会えるだけの技術が生まれているかもしれない。

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