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京都で出会う 〜漆塗りの世界〜

10月初旬

あれこれ考えなくて、こんなことやってみたら絶対楽しいだろうな
その気持ちだけで動くことって、何よりも自分に素直になれる

・誰もやったことのないことをやる
・見る側、そして作る側
・自己表現

20年間、箱の中でじっとしていろと言われても無理なもので、 
外に出で空気も吸いたいし、日も浴びたい、誰かに見てほしい
私がその作品だとしたら、この3つは言いたいかな 笑

大小数ある箱の中からどんどん出てくる作品は、どれも目にしたことのない
工芸品。何と表現したらいいか・・。
いや、表現してしまうとその人の感覚になってしまうから、とにかく実際見るに限る。
見て感じたままを語りあう。そんな空間はとても気持ちがいい。

その作品、これでもかと主張してくるので、ひとつひとつの声を聞くのに忙しい。

貝殻や卵の殻を細かく砕いて、貼り付ける。
それを花や波として表現した作品は、見る角度によってきらめき方が変化して
それが何とも生き生きして見えるから面白い。
「上から見て」、「次は座って見て」と言われているようで
さっきまで箱の中で眠っていたようには見えないくらいの元気の良さ!
滑らかなカーブ、裏表異なる絵柄、ぷっくりした花の表現。
ずっと見ていられるし、「はあーっ」と心の声が思わず出てしまう。

かと思えば、アクリルに漆を塗るという目の付け所が斬新な作品もあって、
その一部は透明になっており、中のプラチナと黒のラインがちらりと見えるように
なっている。この発想、これはこうでなきゃ!という思い込みなんて
どうでもよくなった瞬間。

蓋を開ける楽しみと、開けてからの楽しみ。
このケース、私だったら何に使うかな?
真っ先に思いついたのは、お菓子入れ!それから本を入れるのもいいな


あ、テーブルクロスとか紅茶を入れるのも楽しい。
もちろん何もいれずに観賞用でもいいけど、せっかくなら使わないと。

他にも、棗や本物のひょうたんに装飾された作品もあって、幅広い。
この作品が2年後にはトルコのホテルで展示、販売されるそうだから
何ともわくわく、そわそわする。
何れルーブル美術館や大英博物館で展示される日も来るんじゃないかと思う。
うん、必ず来る。

感じ方、捉え方、使い方、味方 千差万別で
こうやって作品を前に話していると、人の目に触れた作品が嬉しそうでキラキラしていた。

何かにかける情熱は、目に見えるものもあれば
見えないものもあって、どうすればこの思いが伝わるかな とあれこれ考えるけれど
結局のところ自分を信じることに行きついて、信じていれば必ず
同じ思いの人が出会って、繋がっていく。今回もそう。

どこで、どのタイミングで出会うか分からないのが人生の楽しみで
作品を通して縁になり、それが輪を広げてもっと大きな世界を作る。

行きたいところに行って、会いたい人にあって、食べたいものを食べる。
そうしていると、今の自分に必要な人、モノ、言葉が自然と集まってくる。
また、表現の仕方に正解も不正解もない。

箱の中から「こんにちは」では無いけれど、
それがこの先どんな形でお披露目されていくのか楽しみで仕方ない。

まだまだ暑い京都、昼食の担々麺でじんわりとかいた汗。
出された冷たい緑茶の沁みたこと。
帰りの駅までの数分間、同じ思いを共有出来た嬉しさは何物にも代えがたい瞬間だった。

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