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人生の後半戦をどう生きるか

2020年は「専業主婦」になると決めた。

高校を卒業してから、時々無職になりつつも頑張って働いてきた。
そんな私が「2020年は専業主婦になる!」と決めたら、世の中は
コロナによる波乱の渦に巻き込まれていった。

もちろん専業主婦(無職)のわたしに、コロナの影響は限りなく少ない。
台風の目の中にいるような気分だ。

35歳で結婚して、働きながら不妊治療をしていた。
一向に授かる様子もなく、無情にも40歳を迎えた。
40歳を過ぎても授かる人はいるけれど、私は「終わった」と思った。
結婚すれば当然に子供を授かると思っていたのは間違いだった。

本来なら子育てで約20年は影響を受けるであろう私の人生は、
子供ができなかったことによって皮肉にも空白の時間がうまれた。

「さて、この先どう生きていくか?」

この世に生まれてきて、子孫を残せないとすれば、何をすることが
私が生きていた証を残せるのだろうか?

「私には何ができるのだろうか?」

色々と自問自答していたとき、高校時代の友人が親の介護で鬱状態となり
休業していると連絡があった。

仕事も順風満帆で独身貴族を謳歌していると思っていた友人は、心を病み
激やせしていた。

「親の介護」まだまだ他人事だと思っていたが、知らぬ間に身近な問題として存在していた。

係長の役職につき、バリバリ現場で働いていた彼女は、結局数か月の休業ののち、裏方勤務へと配置転換を申し出ることにした。

そこで思った。
「40代といえば働き盛り、しかし親の介護で思うように自分の仕事ができないでいる人が世の中にたくさんいるんじゃないか?」

親は当然老いていく、介護が必要になってから慌てるのではなく、介護が必要になる前に、親自身が老後の生活を設計していく、、そんなお手伝いが出来たら、働き盛り世代は仕事と親の介護を両立できるのではないか。

自分が今持っている資格を活かしてできることはないか。

ファイナンシャルプランナー(二級FP技能士)
・・・資産や保険の整理、お金の管理をシンプルに

整理収納アドバイザー(現在は準一級、一級取得を目指す)
・・・家の中を整理し、ケガをしない環境をつくる

あと何か・・怪しい人間でないことを証明できる何か・・ということで
現在「行政書士」の資格取得に向けて勉強しています。

それが「2020年専業主婦になると決めた理由」です。

*  *  *
2021年、行政書士試験は思ったより難しく、一旦諦めることにした。
整理収納アドバイザーは、無事に1級の資格を取得できた。

世の中はコロナ禍で、わたしに何か出来ないかを考え、自宅の庭で図書館をすることにした。

庭であれば3密にはならないし、外での活動を控えるようにと言われている今、家で本を読むにはちょうどいい。

ちなみに、本は殺菌消毒をしなくても、本から人へは感染しないという研究結果の論文が出ている。

マスクをしたり、一定距離を保ちながら、地域の方々との交流を深めた。

皆、ままならない生活の中で読書の時間を持てたこと、またこうやって人とのコミュニケーションを取れることを喜んでくれた。

地域の認知症予防と、育児ストレスの解消にはなったに違いない。

SNSでの発信により、地域外とのコネクションも増えた。
読まなくなった本を寄付していただき、より図書館らしい図書館となった。

諸事情があり2023年4月で閉鎖するまで、約2年間この活動を続けた。

2021年、2022年は「私設図書館の館長」になった。

* * *

2023年4月、突然の私設図書館の閉鎖。
ショックよりも、次はどんな転機があるのか楽しみだった。

2023年5月
夫の東京転勤が決まった。

若い頃に、一度は東京で働いて見たかったな。と思ったことが現実になった。

夫に帯同して、大阪から東京へ引っ越すことになった。

そして2023年8月から、扶養枠内であるが東京で働くことにした。

働いて、遊んで、学んで、いろいろと吸収したい。

* * *

あとがき

今回、 #あの選択をしたから  という企画に参加するために少し文章を付け足しました。

人生とは選択の繰り返しで、あとから「あっち(の選択)を選んでいたらどうなっていたかな?」と思うことはあるけれど、今の自分が好きだから、結局すべての選択(自分のチョイス)が正しかったと思える。

あの選択をしたから、今出会えている人がいて、
あの選択をしたから、今の自分がいる。

これは不思議と、自分で選んでいるようで、何かしらの力が働いて、正しい方を選ぶように、また間違った方を選択した場合は、正しい道に戻れるようになっていると思う。

わたしの場合、こどもが出来なかったのは不幸な人生ではなくて、この先にもっと充実した人生が待っていたから。

コロナ禍という予期しない問題が起こっても、そこから学べることもあるし、成長することもできた。

普段の生活では出会えなかった人たちと、困難を共に乗り越えることで、強い絆が生まれた。

そして今、また、東京という場所で、新たな冒険を始めている。

この経験はきっと、後の人生に大きな糧となり、最高の選択だったと思えるはずだと信じている。

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