見出し画像

【読書感想文】総理の夫

原田マハさんの「総理の夫」を読み終えた。
原田マハさんの本を読んでみたいなと思っていた頃に、この本と出会い、『おっ!なんだか面白そう!』と思って手に取った。

凛とした女性、相馬凛子は42歳の若さで総理大臣となる。
日和見な性格の凛子の夫、相馬日和。
凛子を総理へと押し上げながら、次期総理の座を狙う腹黒の原久郎。

この本は、総理の夫である相馬日和の日記という形式で、日和と凛子の周りで巻き起こる色々な騒動が描かれている。

政治的な要素も多分にあるので、途中、正直疲れてしまうところもあったが、日和見な性格の相馬日和のおとぼけ感がそれを癒してくれる。

相馬凛子は、女性なら誰でも憧れるような、美しくて、賢くて、カッコイイ女性。本当にこんな女性が現れたら、日本中の女性の支持率を総なめして、今までにない政治になっていくだろうと思う。

日本の為にと政治家になった多くの人たちが、国民のためにという志を忘れ自分の椅子を守ることだけに必死になってしまうような世界の中で、相馬凛子だけは、染まらずに清廉潔白で前に突き進んでいく姿が勇ましい。

彼女がマニフェストで謳っていた三つの大きな公約。
・増税と社会保障の改革
・景気対策
・少子化対策と雇用の促進

消費税を上げれば個人消費がにぶり、マイナスの経済成長の呼び水になってしまうという意見もある。短期的に見れば、確かにそうだろう。過去に数回消費税率が上がった際も、その直前に駆け込み消費があったこともあり、増税後はマイナスに転じた。
 しかし、だからといって、このまま放置すれば、あとは「日本国丸」は沈むだけなのだ。(P.333)
人口減、収入減で、税収が減る一方に対して、超高齢化社会を支える年金や医療費などの社会保障費の歳出は増える一方だ。社会が疲弊し、女性や若者が働きにくい世の中になれば、ますます子供を産み育てられない状況になり、日本はますます縮んでいく。
まさしく、負のスパイラルに陥っているのだ。(P.334)

女性がもっと働きやすい世の中になるように、相馬凛子は奔走します。

腹黒の原久郎が裏切って、敵対してきたり、日和見の相馬日和がスキャンダルをでっち上げられたりしながらも、相馬凛子はひるむことなく突き進みます。

そんなある日、相馬凛子の体調に変化が・・・。
この続きは本でお楽しみください。

*     *     *

働く女性が増えたのに対して、世の中の仕組みはまだまだ追いついていない部分が多いように感じます。

これはきっと男性が考えても思いつかないようなことばかりだと思うので、女性がもっと政治や企業の中枢に入っていって、女性目線で世の中の仕組みをどんどん変えていったり、新しい仕組みを生み出していく必要があるのかもしれない。

少し難しい部分もあったけれど、面白い本でした。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,023件

いただいたサポートは、癒しの珈琲代に使わせていただきます♡