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Q.「娘が食事中もスマホから目を離しません。何かよい方法がありますか。」(50代男性)

ジェモセラピストで茶道教授の水上麻由子が、皆さんのご質問にお答えする「教えて!まゆこ先生シリーズ」

今回のテーマ(50代男性からのご質問)は、大学生や高校生女子がいる我が家にもある問題です。皆さんはどうしているでしょうか。

食事中にスマホを見てほしくない理由はなんでしょうか。思いつくものを三つ挙げてみました。①食事に集中していないのは消化に悪い。②食事に集中していないのは行儀が悪い。③一緒に食事をしている家族との会話がなくなって寂しい。①と②は表向きで、③の理由が本音のような気もしますね。

①食事に集中してないのは消化に悪い
これについては、健康に関わる問題であり、毎日のことでもあり、お子さんの躾や将来の習慣にもつながることなので、大切です。このことは、小学生までのお子さんならば、最優先させるべきです。おもちゃやスマホ、お父さんやお母さんのテレビももしかすると我慢して、よく噛んで食べること、季節の食材の会話や箸の使い方や食べる時の姿勢などの話をしながら、食べることに集中できる環境を整えてあげるべきです。そして、よく噛んで落ち着いた気持ちで食べるようにしないと身体に負担になったり、栄養にならなかったりすることをわかりやすく伝えるとよいと思います。このことは、一人で食事をする大人にも言えることで、もう一度、食事の時間を大事にする心がけが必要です。

②食事に集中していないのは行儀が悪い
これについても、①と同じく小学生までのお子さんには優先して、テレビやスマホを見ながらの食事は控えて、食卓を向いて食べることに集中する習慣をつけさせたいものです。箸や食器の扱い方なども身につけさせたいですね。本当に実践しようと思うと、親も仕事でパソコンや新聞を見ながらの食事をしないようにして集中して食事をする習慣がないと、説得力がないですね。

ただ、中学生高校生くらいになると、そうはいかないかもしれません。部活や塾で朝や夜の食事も慌ただしく、食事中にも多感な人間関係の中でラインやSNSのチェックが大事なのかもしれないし、話題のユーチューブを観ておかないと休み時間の話題についていけないかもしれません。そのあたりは、家庭でルールを決めるようにするとよいと思います。たとえば、「朝食はライン確認など、忙しい時間でスマホを見てもよい」とか「食事中に見たい番組があるなら、テレビの画面につないで家族で同じものを見るようにする」などです。ルールを決めるとなると、子どもは親に干渉されていることを鬱陶しく思うかもしれないので、「ママも、一緒に観たいな」「最近はどんなものが人気なの」などと子ども達に関心を寄せていくのもよいと思います。

③一緒に食事をしている家族との会話がなくなって寂しい
食事中のスマホ問題の本音はここにあるかもしれません。躾や正義を振りかざしても思春期の子ども達は耳を塞ぐばかりで、「一緒に話がしたい。スマホばかり見ていると寂しい」ということは言うとよいと思います。それをきっかけに、どんなユーチューバーが好きなのか、どんな音楽を聴いているのか、お勧めの小説はないか、などお互いの趣味の話をシェアするとよいと思います。
ただ、ここで一つ気を付けたいことは、思春期の子ども達は「一人の時間」が欲しいのだということです。多感な時期で学校での人間関係や勉強のこと自分のことなどでヘトヘトになっています。テレビやスマホがなかった時代も、思春期の子どもはムスッとして食卓にいたはずです。子ども部屋という空間だけでなく、気兼ねなく一人でいられる時間、自分の中にこもる時間も必要なのだということは心に留めて、家庭で食事中のスマホのルールを話しあうとよいと思います。

私が最近の食事中のスマホ問題を考える時に、思い出す光景がいくつかあります。

一つは、私の子ども時代のテレビです。私が子どもの頃はテレビ全盛期で、多くの家庭の居間やリビングにテレビが置いてあり、テレビを観ながら食事をする家庭が増え家族の団らんがなくなりつつあることを危惧する声もありました。我が家は親が食事の躾を優先していて、私と妹が大学生になるまでテレビは居間にありませんでしたが、テレビが居間に置かれてからは、それまでの大人の躾がなんだったのかと思うほど、時計代わりにいつもついていて、親もテレビを見ながら食事をしているほどでした。躾にさらに厳しい祖父母も新しい文明を楽しみ、テレビを観ながら食事をしていました。今も、多くの家庭では、朝食や夕食時には、ニュース番組や情報番組がついていて、それらを観ながら食事をしているのではないでしょうか。こうして、それが登場するまでは考えられなかったような習慣も、良くも悪くも暮らしの中にだんだんと浸透してしまうものです。
今回のご質問についても、テレビは良いけど、スマホには抵抗があるという感覚だろうと想像します。それは、みんなで観ているのではなく、ヘッドホンやイヤホンをしたり、一人で小さな画面も観ているスマホだからでしょう。もしそうだとすると、やはり、先ほどご提案したように、テレビ画面で共有するとよいのではないでしょうか。

もう一つ思い出すのは、私が子どもの頃の家の電話です。夕方の6時~9時ごろまではたいていの人が家にいる時間で、食事中に電話がかかってくることも度々でした。私の友人からの電話で長電話をすると、「食事中だから早く切りなさい」などと注意されましたが、親宛ての電話は仕事だからなのか、深刻な内容なのか、なぜか食事中でも席をはずして電話をしていることがよくありました。これらも、食事を中断させることや一緒に食べている人へのマナーなどが気になる問題でした。食事を電話で邪魔される問題は、いまはなくなったのではないでしょうか。メールやラインなどの普及で、家庭に電話がかかってくることが少なくなりましたね。

質問へのお答えとしては、小学生以下であれば、なんらかの家庭でのルールは必要で、大人もそれに従いましょう。中学生以上であれば、スマホを離そうとするよりも、一緒に話題に入るようにすることで、食事中の会話のきっかけにしてみましょう。



私たちは、純粋意識(魂・ミッション・ダルマ)を生きると決めて、生まれる場所や時代を選んで生まれてきています。地球上の人々が、内なる魂と繋がり、健やかに成長しながら人生の航海を楽しめるよう願いながら、書いています。 応援や共感していただけたら、嬉しいです。