自分の持久力トレーニングを見つけよう
前回、「私なり」の持久力トレーニングをお伝えしました。「え〜?こんなにできない(>_<)」「あれ?意外とできる(^^)」などそれぞれ感想があるだろうな、と思います。それぞれ、自分に合ったトレーニング法を見つけて行うことが重要なのですが、今回は様々な持久力トレーニングの紹介と、行う上で大切な「強さ(きつさ)」の基準をお伝えします。
1.トレーニングの強さ(きつさ)の指標
持久力トレーニングを行う際に、その強度(きつさ)を決めることは重要なことです。持久力を決める要素は3つありますが、トレーニング強度をしっかりと設定できると、その3要素のどこが鍛えられるのか、が明確になります。例えば、トレーニング強度を強くするほど「酸素運搬能力」が鍛えられ、トレーニング強度を弱くすると「酸素利用能力」が鍛えられます。では、その強度を決めるための「指標」とはどういうものがあるでしょうか。
1-1.心拍数
トレーニングの強度の指標となるものの一つに「心拍数」があります。一分間に心臓が何回拍動しているか、を表しています。心拍数にも限界があり、心拍数の最高値を「最高心拍数」と言い、「220—年齢」で求めることができます。また、心拍数には個人差が大きいです。簡単に測定することができるので、安静中の心拍数を測定してみてください。起床時に60秒間測定した心拍数を安静時心拍数と言いますが、この値を基準として、以下の式に入れることで、トレーニングの強度を決めることができます(図1)。
1-2. 主観的運動強度
運動を行なっている際、その時のきつさを、数値を使って表すことができます。これを主観的運動強度と言います(表1)。「楽」「きつい」「とてもきつい」という表現よりも、最大が20だとすると、そのうちのどれくらいかという客観的な数値がある方がわかりやすいです。これに関しても心拍数と同様に、目標とする登山(表2や表3参照)や自分の弱点に合わせて数値を設定してください。
2. 目標とする登山に必要な持久力トレーニングの強さ
1で、持久力トレーニングを行う上で、その強度を確認するための指標についてお伝えしました。次に、自分が目的とする登山にあったトレーニング強度を知ることが必要です(表2)。ハイキングを目的としている方や、バリエーション登山を目的としている方もいるでしょう。それぞれの山に必要な体力を知っておき、それに向けたトレーニング強度を設定し、トレーニングを実践することが大事です。
表2を見ると、ハイキングをする際の強度はジョギングと歩行の組み合わせ、一般的な登山はジョギングやサッカー、バリエーション登山は分速130mのランニングや時速20kmのサイクリングと同じくらいの運動ということです。それだけの体力(持久力)が必要だということですね。1,2のまとめとして、具体的にトレーニングを行う場合、目的とする登山では何の能力が必要で、どのくらいの強度でトレーニングを行うことが重要か、ということを下の表で表しました(表3)。
3. 持久力トレーニングの種類
ウォーキングやジョギングは一般的な持久力トレーニングですが、ここではそれ以外のトレーニングを紹介します。
3-1. インターバルウォーキング
通常の歩行(ウォーキング)と中〜高強度の歩行(速歩)を交互に行います。(ウォーキング3分+速歩3分)×5セットを目安に行いましょう。速歩の強度は最高心拍数の65〜85%を目標に行います。慣れてきたら、ストックを持ったり、背中に荷物を背負ったりして、強度をアップしてもいいでしょう。
3-2. 階段や坂道の昇降
登山は自身の身体を重力に逆らって持ち上げるという動作の連続です。階段や坂道の登り下りを行うと効果的です。普段からウォーキングを行っている場合は、階段や坂道のあるコースを選択してください。階段や坂道の登りは自然と心拍数が上がります。
3-3. スロージョギング
会話ができるくらいのゆっくりした速度で走る運動です。速度は1kmを8〜9分程度で走るとよい、と言われていますが、もっと遅くても大丈夫です。重要なのはそのフォーム。足を地面に着地するときに、足の指の付け根(母子球あたり)から着地する「フォアフット走法」で行います。かかとをつかない、というイメージです。また、目線は3〜4m先を見て、姿勢を整えながら行いましょう。ウォーキングを同じ時間のスロージョギングは、ウォーキングよりも1.5倍以上のエネルギーを消費するとも言われています。室内の狭いスペースをぐるぐる周回することでも効果があるため、室内で行える持久力トレーニングとしても効果的です。
4. まとめ
長時間のハイキングや登山を行う際に持久力は必要ですが、以下をしっかり把握しながらトレーニングを行えると、持久力アップの近道になるはずです。地道ですが、できるところから行なってみてくださいね!!
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