見出し画像

宮崎クライミング②鉾岳大長征ルート

12月2日(4日目)天気:晴れ

この日はどこに行こうかと前日からしっかりと話し合いました。短いルートを2本行く事も考えましたが、天気も安定しているということからロングルートに行くことにしました。12/3は飛行機で東京に戻る日だったので、終日フルに使えるのはこの日だけだったのです。

画像1

場所は鉾岳の「大長征ルート」全11ピッチほどのルートに決めました。このルートは私の恩師の山本正嘉先生に「大長征ルートで宮崎ならではのランナウトっぷりを味わってこい!」と出発前に熱いメールをいただいていたのです。

実は・・・比叡山は18年ほど前に私が学生だった頃、山本先生に連れて行ったもらったことがあります。クライミングとは何なのかさっぱりわからず、ただ仲間同士でロープを繋ぎ、岩を登る楽しさだけを体験させてもらっていました。その頃は技術も安全管理も何も知らず、全くの無知でした。振り返ってみると恐ろしい。

そんな経験のある宮崎で再びクライミングをするなんて、その頃は想像すらしていませんでした。先生からの言葉を思い出しながらの大長征ルートのスタートは、不安よりも楽しみの方が大きかったです。

クライミングでは、誰がリードをするかが重要となります。リードをするということは、先行するということ。フォローはリードが引いてくれたロープを頼りに、登っていきます。リードは自分よりも先にはロープがないため、体力的にも技術的にも精神的にもフォローよりもきついです。

画像2

大長征ルートに行く前日にメンバーで全11ピッチのどこをリードしたいか、ジャンケンで決めました(笑)私は一番低いグレードでありながらも、山本先生の言われた「ランナウトっぷり」を味わえる1,2,3ピッチをリードさせてもらいました。

さて、大長征ルートの朝。鉾岳麓の気温は−5℃。暖かいと期待していた宮崎でしたが、しっかり霜が降りている登山道を取り付きまで歩きました。今日ももちろんダウンパンツを履いてスタート。部屋着として準備していたノースフェイスのレッドランロングパンツが大活躍だった宮崎遠征。

ランナウトっぷりは凄まじかったです。30mでボルトは二つくらい。ボルトの5mほど上に来るたびに恐怖と緊張感と冷静さが入り混じります。そして各ピッチの終了点につくたびに安堵。その繰り返し。はるか下に見える仲間の姿と雄大な自然になんとも言えない気持ちが込み上げたクライミングでした。

画像3

4,5,6,7ピッチ目は主にトラバース部分。岩場での横移動は、気持ちの強さが現れます。一歩滑ると横に振られながら落ちてしまうからです。私はフォローでしたが、雄大な高度感の中でかなり緊張しました。

画像4

しかし落ち着いて振り返ってみると、そこでしか見ることができないとても雄大な景色。この日は風も落ち着いていて、太陽の温かさを感じることもでき、どこにいるのかわからないくらい贅沢な不思議な気持ちでした。

8,9,10,11ピッチ目は頂上目指して上がる部分。大長征ルートの中でもグレードが高い部分になります。今までになかった細かいホールドを頼りに登ったり、終盤は綺麗なクラックが出てきたり。変化に富んだ部分でした。

画像5

ついに雌鉾岳の山頂へ。12月1日が誕生日だったメンバーにサプライズの合唱を!3人で登った雌鉾岳の大長征ルート。岩を登ることを楽しむ、ロープで繋がったメンバーの様子を確認する、次のルートへの戦略を考える・・・こうやって無事に山頂に到達でき、無事に下山できたこと。とっても思い出に残るルートになりました。

画像6

続く・・・


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?