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読書メモ|「Die With Zero」ビル・パーキンス

死ぬまでにお金を使いきれ!

本著の主張は、タイトルのとおり、「死ぬまでにお金を使いきれ!」ということ。多くの人が、漠然と老後に不安を感じ、お金を貯めすぎ、若い時代にお金を有効活用できていない。若い時ほど時間と体力があり、歳をとるほど体は衰え、資産だけが貯まっていく。そんなもったいないことをせず、生きているうちにお金を使い切り、お金より価値のある思い出を作るべきだと。

老後に行きたい場所、やりたいことは今行くべきだし、今やるべき。子供や志を同じくするNPOなどに寄付したいなら、それも今からできる。健康不安だって保険商品を使えば問題ない(筆者の住むアメリカでそうなら国民皆保険の日本では尚のこと)。つまり漠然とした不安を元にお金を死ぬまでに使いきれない方が問題なのだ。

特に若いうちは借金をしてでも行動すべき。なぜなら人生の価値は経験ポイント、つまり価値ある思い出に集約されるからだ。経験ポイントを積むことで、それに基づいた考え方・行動をとることができるようになるし、振り返ることで幸せを感じられる。このように、お金同様、思い出にもこのように利息がつく。

もちろん、お金のために働くのではなく、自分の幸せのため、経験ポイントのために働くことを選択してもよい。ただし、その場合でもお金を使い切り、経験ポイントを最大限獲得するべき。

では死ぬまでに必要な金額はいくらか。筆者は、今ある資産を5%で運用する前提でざっくりと、
一年で使うお金×余命×70%
としている(7掛けなのは運用により資産が増えるから)。そこまで貯まったら、お金を増やすのではなく切り崩していかなければならない。

経験ポイントを最大化するには

経験ポイント爆上げエピソードとして、筆者は自身の45歳の誕生日パーティーを挙げている。50歳にしなかったのは、45歳時点で資金的に余裕があったのと、高齢の両親の健康状態を考慮したため。筆者は、自身の家族、幼少期以降の親しい友人を、世界一素晴らしい場所と考えるカリブ海のリゾートに呼び寄せ、1週間に亘るパーティーを開催した。美味しい食事はもちろん、プチツアーを企画したり、プライベートコンサートをプレゼントしたりと盛りだくさん。当然ゲストの交通費や滞在費も主催者待ちだ。

さすがにこんなに豪勢なパーティーをホストできる人は限られるかもしれない。でもそれぐらい思い切ってお金を使っても、それが人生最高の時間になり、生涯思い出しながら幸せを感じられるものであるならそれだけの価値があるのだ。

今死んでも後悔しないか?

明日人生が終わります、と言われたらいつもとは違う1日を過ごす人がほとんどではないか。仕事になんか行かず、愛する人と好きなことをして過ごしたい。ずっとやってみたかった何かにチャレンジしたい。でも詰まるところ本当に明日死ぬかもしれないのだ。そんな気持ちで人生のお金の使い方、時間の使い方を見直したくなった。

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