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きのことの出会い

軽井沢は山の中の町。天気が変わりやすく、雨が多く、前が見えなくなるような霧もしょっちゅう出ます。

住む前は、高原のようなさらっとした気候のイメージがありましたが、そういう日は少なく、ほとんどの日は水分たっぷりの空気を肌いっぱいに吸い込んでいる感じ。今年は梅雨がとても長いので、ことさらそう感じるのかもしれません。

雨が降り止んで、少し日が差してきたかな、と感じたら、「それっ、今だ!」とばかりに散歩に出かけます。空中の水分は多いけれど、東京の夏のようなもわっとした身体にのしかかってくるような空気の重さはありません。歩いていてとても気持ちいい。はあ、至福。

ある日きのこと出会う

そんなある日、道の向こう側に何かきのこ的なものが見えました。道の反対側からでもはっきり見えるということは、結構大きいはず。

胸がどきどきしました。わくわくしました。

道を渡ってそのエリアにいってみたら、ありました。やはりきのこでした。

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道の反対側から見えたきのこ(後に調べて、たぶんウスタケ)

しかも、ちょっと見渡すと、ほんの数メートルのところに、色もかたちも大きさも何もかも違うきのこが生えています。

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この日以来、散歩となれば「きのこ王国」のようなこの場所をめがけるように。そして、そこにいたる歩道の脇にもきのこがちょこちょことあることにも気づき、散歩というよりはきのこを眺めるために歩くような日々が始まりました。

そうやってきのこに反応するようになってみると、家の庭にも小さなきのこが生えているし、木の柵にもおそらくきのこと思われる何かが生えている。

そうか、私は、きのこの中に住んでいたんだ。軽井沢の水分に溢れた空気、そこら中にある木や落ち葉がきのこと相性がいいんだなあ。

きのこって何?

きのこは植物っぽいけれど、カビと同じ菌類(英語で"KINGDOM FUNGUS"、菌キングダム!)に分類され、日本だけで10,000種以上あるそうです。

図鑑.jpによると、そのうち名前がついている、すなわち特徴がわかり他のものとの違いがわかっているものは2,000-3,000ぐらいしかない、とか。だから、図鑑にのってないきのこも多く、「このきのこなんですか」と専門家の方に聞いても、そもそも名前がついてないので答えられないこともあるそうな。

すごい、宇宙みたい。

そして、きのこの「ほんとうのからだ」は菌糸体と呼ばれる地中にある白いワタのような細い糸で、私たちがきのこと呼んでいる部分は子実体といって、たねで増える植物でいうと花にあたり、子孫を増やすための部分、だそうです。(伊沢正名「キノコの世界」より)

長いこと地中で生き繁殖のために最後にちょっと地上に出てくるセミみたい。

私たちは地中にいる大量のきのこの「ほんとうのからだ」の上に住んでいて、そのからだが子孫を増やすために咲かせる花を「きのこ」として楽しませてもらっている、ということなのかもしれない。

宇宙の星をめでるように。

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きのこと出会えたことを感謝しつつ、徒歩圏内のきのこのこと、そしてきのこについて学んだことをこれから書き綴っていきたいと思います。

いつまで自分のきのこ熱が続くかは、わからないけど...










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