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歌うことをすきになれてよかった

中学の頃は帰宅部だった。

茶道部に一度入ろうとしたのだが、
わたしの代の時だけ入部したい人がとても多く、
抽選の結果、なくなく外れてしまったのだ。

結局、どの部活動にも所属しなかった。

でも、放課後になると、
グラウンドでスポーツに励む人や
どこからか聞こえてくる合唱の歌声に、
なんだか寂しくて、
うらやましい気持ちになっていた。

だから、高校では
何かしらの部活動に入ろうと決めていた。

みんなで何かに向かってがんばる日々を送りたい。

そんな想いから、部活動を探していたある日のこと

ある友達から、

「一緒に合唱部に入らない?」

と言われたのだ。

その時のわたしは人前に立つことも、
歌を歌うことも、とても苦手だった。

だから、

「いやいや、わたしには無理だよ!」

というようなことを言った気がする。

すると彼女は、

「今年、大会で沖縄にも行けるらしいよ!」

と言った。

沖縄かあ、、なんだか楽しそうだなあ、、

そう思ったわたしは
“沖縄”というワードにつられ、

「沖縄か〜〜、いいね!入るか!」

と、軽い気持ちで合唱部への入部を決めた。

わたしには、こういうところがある。笑

しかし、実際に入ってみると、
わたしが通っていた高校は
なんと合唱強豪校だったのだ。

もう入ってしまったのだ。やるしかない。

文化部とは思えないような
筋トレのメニューをこなし、
はじめはどこからどうやって
音を出すのかなんて、
まったくもってわからなかった。

そしてついに、はじめて全校生徒の前で
合唱をする機会が訪れた。

わたしはとても緊張していたが、
練習をしっかりしたから大丈夫、
楽しんで歌おう!と意気込んでいた。

そして幕が上がり、
全校生徒が目の前に姿を表した。

わたしはその瞬間
からだが固まって動かなくなり、
なんと声が出なくなってしまったのだ。

どうしたらいいのかわからなくなったわたしは
ただひたすらに口パクでごまかして、
なんとかその場をやり過ごした。

悔しかった。とても悔しかった。

この時、どれだけ準備をしていても、
本番では何が起こるかわからないことを実感した。

でも、そんなわたしもようやく
高校3年生になったあたりから、
歌うことを楽しめるようになってきた。

人前で歌うことの緊張感には
まだ慣れないけれど、
ただ歌うことが楽しくて、
歌うことをすきになっていた。

こうなるまでに、
わたしは約2年の月日がかかった。

なにごとも、楽しめるようになるには
ある程度の基礎を習得することが必要で、
でも、楽しめるようになる瞬間は、
ある日突然訪れるのだ。

歌うことをすきになれてよかった。

あのとき合唱部に誘ってくれた友達、
ほんとうにありがとう!

わたしはこれからも楽しんで、
歌をずっと歌いつづけていきたいな☺︎

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