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転職は日本経済を救う01 日経平均30年ぶりの高値 1990年

2021年2月、日経平均が3万円に近づこうとしている。
30年半前の水準、ということになっている。
30年半前といえば1990年、
株価は前年ピークをつけ、土地も怪しくなったころだ。
でもまだこの時点では、株はすぐ回復する、と皆信じていた。
バブルの絶頂だった。
しかし現実は厳しく、この後日本は30年間、衰退を続ける。
はじけたバブルの傷跡は深かった。
企業は正社員を減らし、若者は就職に苦しみ、
非正規雇用となり、ロスジェネと呼ばれる。
正社員も給料は全く上がっていない。むしろ下がっている。

この30年間、労働環境は著しく悪化してしまった。
そんな中で、これまでの日本経済を支えてきた雇用システム、
終身雇用、年功序列が揺らぎ始めた。

高度成長時代は、一流大学を出て大企業に就職したら、
一生勤めてそこそこ昇進して、定年で退職金をもらって退職し、
年金で豊かな老後を過ごす、というのが一つの理想のパターンだった。
今思えば、日本が高度経済成長していたから実現したシステムだった。
ステレオタイプの教育ママの子供へのことばは
「勉強していい学校に入っていい会社に入りなさい!」
だった。

それが今や、大学を出てもいい会社に入れない、
いい会社に入ってもいいポストに就けない、
そんな中では安月給かつストレスで定年まで身が持たない、
会社員受難の時代になった。

そして「転職」という言葉が少しずつ身近になってきた。
成長しない会社に見切りをつけ、
あるいは自分に合わないと判断して、
数年で会社を換わる若者が出始めた。

1990年はそういう世界が始まる直前。
私は入社7年目、29歳、53歳の父を亡くしたばかりだった。

ここから私の話を始めよう。

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