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上等

彼女はもう
忘れてしまったかもしれないけれど
地下道の階段を上がったところで
こんな話をした。

「4万円のコートを着て、
400円の下着をつけた女より、
4万円の下着をつけて、
400円のコートを着られる女になろうよ。」

あれから10年以上経つ。

今でも私は
何か目の前にあるものの
表層の
その下にあるものを
見ようとする。
翻り、
いますぐに
コートを脱ぎ捨てることができるか。
時々、自分に問いかけている。

麻佑子

#エッセイ #詩 #散文 #女

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